第28話 苦手なタイプ
「初めまして!こちら天道さんのお家であってますか?」
「え?そう、だけど・・・?」
熱で寝ているルカと話している時にインターホンがなって母さんの代わりに出て見ると、ルカと同じ年くらいの女の子がいた。
見るからに真面目そうだが、なんか圧迫感がある・・・。
制服を着ている?
ってか、あの制服、うちの学校の中等部の女子の制服だよな?
「中等部の生徒さんが何の用?」
「ああ、あなたは高等部の
「え~っと、君は?」
「失礼しました!私はこちらでお世話になっていると言う下野ルカさんのクラスメイトの"
伊瀬薫と名乗ったその女子生徒はルカの同級生らしい・・・。
「で、伊勢さん?家に何の用?」
「はい、下野さんに宿題のプリントを届けにきました」
「わざわざ届けに来てくれたの!?」
「私委員長なので!」
結構几帳面っていうか、絵に描いたような真面目な子だな・・・。
だが1つだけ確信している事がある…。
こりゃ…。
俺の
◇
小学生の頃だった…。
俺の通っていた小学校に一学年下である1人の女子生徒がいて、悪ふざけする俺をよく怒鳴っていたな・・・。
今でも耳に響くよ・・・。
しかもあろう事かいう事聞かないとよく泣いていて、同じ学級委員でも八雲さんとは大違い。
しかも泣かれる度に俺が先生に怒られていたよ・・・。
それが俺にとってちょっとトラウマでもあるんだよな・・・。
後で聞いた話だが、その女子生徒は途中で転校したらしく俺もそれっきりの付き合いとなった。
この薫ちゃんって子はその時の子にそっくりだった。
俺は薫ちゃんを家に入れた。そしてルカの寝ている部屋に連れて行った。
「伊瀬さん、プリントありがとう!」
「いえ、委員長としての務めなので・・・。」
「でもどうして私がこの家にいるって知ってたの?」
「先生から聞きました。今の下野さんの住所がここだと聞いて・・・」
先生にバレてんのかよ!?同居の事!?
そりゃそうだよな・・・。
一応ルカの母さん仕事でしばらく帰ってこないんだから、今の保護者は俺の両親って事だし・・・。
「では、私はこれで・・・」
「もういくのか?お茶出そうかと思ったんだけど・・・?」
「結構です」
薫ちゃんはそのまま帰って行った。
ちょっと真面目過ぎるが、なんだろう・・・。
なんか懐かしい感じがするな・・・?
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