第27話 病欠になりました。
「お前、やっぱり熱あるぞ・・・」
「うぇ~ん!そんな~」
体温計を見て涼くんは私に言った。
先日雨の中涼くんを待っていたのが
「ルカ、今日は学校休め。」
「そんなあ~!いつもなら涼くんと登校するのに~!」
「だめだ!安静にしていろ!」
「ルカちゃん!おばちゃんが看病してあげるから、今日は寝ていなさい!」
こうして私は今日、学校を
◇
時間はまだ午前中だけど、さすがに長く感じた。
この時間、いつもなら私は教室で授業を受けている為、その間に時間が過ぎていく。
でも今日は違う。
熱を出していると言っても、正直"退屈"だった・・・。
(今頃涼くんは授業真面目に受けているのかな?)
◇
ようやくお昼の時間になった。
するとお義母さんがやってきた。
「ルカちゃ~ん!おかゆ作ったから食べなさい。」
「あ、ありがとうございます!」
「自分で食べられる?」
「大丈夫です!」
私はお義母さんが作ったおかゆをパクリとまず一口を口にした。
扱ったけどとっても美味しかった。
暖かくて、身体も暖まったように思った。
「ごちそうさまでした。」
「思っていたより元気そうでよかったわね!」
満腹になったから火球に眠気がやって来た。
(ちょっと寝ようかな・・・)
そのまま私は眠りについた。
◇
眠りについた私は夢を見た。
それは幼い頃のある嫌な夢だった。
『お父さん!なんで!行かないで!お父さん』
お父さんが出て言っちゃう・・・。
嫌だ!嫌だよ!
お父さん、行かないで!!
「は!?」
眼が覚めると、時間はもう15時半ごろになっていた。
「嫌な夢見ちゃった・・・」
夢で良かった。
そう思えたけど、お父さんが出て行ってしまったのは今でも私の中では嫌な思い出だった。
でも、今の私には涼くんがいるから・・・
いつの間にか私は涙を流していた。
「お父さん・・・」
「お父さんがどうかしたのか?」
「え!?涼くん!」
目の前に涼くんがいた。
学校から帰って来たのかな?
そうだよね・・・時間的にももう帰ってくる時間だし・・・。
「ほら、アイス買ってきたぞ!食うだろ?」
「え?ありがとう・・・」
「おい、泣くほどうれしいのか?アイスが?」
「え?いや、これは・・・」
恥ずかしい・・・。
泣いている所涼くんに見られた・・・。
でも・・・。
◇
私は事情を涼くんに話した。
「そういや、お前の父さん、今頃どうしてるんだろうな・・・」
「・・・」
「ルカは今でも、会いたいって思うか?」
「え?」
「もし俺が今のルカと同じ立場なら、出て行った理由にもよるかな・・・」
涼くん、慰めてくれている?
私の為に・・・
「確かに、もし会えるなら会いたいけど、今の私には涼くんがいるから!」
「・・・そうか・・・」
私と涼くんはそのまま静かにほほ笑んだ・・・。
ピンポーン!
「涼太!代わりに出てくれる?」
「はいよ!」
誰か来たみたい
そのまま涼くんは玄関へ向かった。
「はい、どちら様で・・・?」
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