第19話 最終競技の幕開け!そして終幕!

体育祭もついに終盤に差し掛かった。

最後の競技は高等部の代表選手による障害物リレーだった。


そして俺はそのリレーのである!!


「涼太、大丈夫?」


「ああ、今の所・・・」


兵藤も代表選手で一番最初に走る事になっている。

こいつ、勉強は出来るが運動も出来るのがすごいんだよな・・・。


おっと、そんな事を考えている内にもう始まる!


「位置について・・・よ~い・・・」


パァン!!


競技ピストルの発砲音と共に兵藤が走り出した。


兵藤はまず平均台を歩いていた。


次は網を匍匐前進で潜っている。


何とか網を突破した兵藤はタスキを次の走者に渡した。


そして最後は俺が走る番だが・・・。


(緊張するぜえええええええ!!)


やっぱりアンカーで重要だよな・・・。


このリレーで紅組の勝敗かかっているわけだし・・・。

すっげえじゃん!!


そんな心配している内にとうとう俺の番が来ちゃったよ!!


(ええい!四の五の言っている場合じゃねえ!)


俺はタスキを受け取ってそのまま走り出した!


もう無我夢中で!


大丈夫だ!

練習通りにやれば良いだけ・・・。


って…


「なんだこの高さの"跳び箱"はああああああああああああああ!?」


おい~!


なんだよこの高さ、軽く20段はあるぞ!?


うちの学校ってこんな高い跳び箱あったのか!?


いやいや、でも、これを突破しねえと優勝なんて・・・。


(涼くんが困っている・・・どうしよう・・・そうだ!)


もうだめだなこりゃ・・・。

無理過ぎて腰が抜けそう・・・。


ごめんみんな・・・。

俺の所為で優勝出来なくなっちゃって・・・。

せめて八雲さんにかっこいい所見せたかったのに・・・。


「涼く~ん!」


「ん?」(ルカ?)


どうしたんだ、こんな時に・・・って!?


「ええええええ!?」


「涼く~ん!ファイトおおおお!!」


ルカの声が聞こえたかと思ったら、ルカのやつ、さっきの応援合戦で来ていたチアの衣装を着て俺を応援しやがっていた。


「おいおい、なんの余興だよ・・・」


「応援合戦なら終わってんぞ!」


周囲が笑い始めている・・・。

俺も驚いたが、ルカの応援を無駄にするわけにいかねえ・・・。


「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


俺は最大限の体力パワーを振り絞って跳び箱を飛んだ。


「「うっそおおおおおおおお!?」」


みんなが驚いてやがる。


俺はそのまま他の障害物を乗り越えた。


そして・・・。



パアアアン!!


奇跡的・・・とでも言って良いかな?

ゴールテープに接触で来た。


「涼太!!」


「すごいよ!がんばったね涼太!」


「天道くん!リードしたわよ!」


「涼くん!その・・・私の応援・・・届いたかな・・・?」


「ああ、十分届いた・・・よ・・・」


あれ、なんだ・・・。

視界がぼやけて・・・。

それに、なんか身体が・・・、フラフラしてきて・・・、怠いような・・・。


バタン・・・


「りょ、涼太~!?」


「保健委員!!涼太を保健室に!!」


「涼くん!涼くん!」







「ん?あれ?俺一体?」


いつの間にか俺は保健室のベッドに横になっていた。


「涼く~ん!良かった!」


いきなりルカに抱き付かれちまった・・・。


付き添ってくれていた寺島達の話によれば、俺はリレーを完走した後で倒れたらしい・・・。

よっぽど俺、体力使い切っていたんだな・・・。

何よりルカは倒れた俺をよっぽど心配してくれていたのが分かった。


「あ!それより結果は!?」


「ふふふふ!」


ルカが何やら笑っている・・・。


その笑いは・・・

もしや・・・


「勝ったよ!紅組の優勝だよ!」


「え!?」


「やったよ涼太!お前は俺達の英雄だよ!」


「英雄ってのは大げさに思えるけど・・・でも、涼太のお陰だね!」


「すごいよ!天道くんが私達を優勝に導いてくれたのよ!」


みんなが俺を執拗に褒めてくれているが、嬉しい気分だ!






何とか立ち上がることが出来た俺は、気を改めて表彰式に出席!


表彰状はリレーで高評価を受けた俺が手にする事になった。


ありがとう!


俺、今最っ高に気分が良いぜ!!


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