第3話 寂しいんだな・・・

 6時間目が終わった。

 そろそろみんな下校の時間になった。

 部活で残っているやつは何人かいるが、俺は部活に所属していないからそのまま帰る。


 下駄箱で靴に履き替えて校門まで歩いたら、あいつが待っていた。


「ルカ?」


「涼くん!」


 校門でルカが待っていた。


 今日中等部は5時間目までのはずだったのに…。


「まさか、学校終わってからずっと待ってたのか?」


「うん!涼くんと一緒に帰りたかったんだもん!」


「全く…」


 呆れつつも俺はルカと下校をした。



 ◆



 時間は既に夕方だったからか、外はもう暗くなりかけていた。


「なあルカ、なんで校門で待ったんだよ?中等部は今日は確か5時間目までだろ?」


「だって、涼くんと一緒がよかったんだもん!それに、家にいたって誰もいないし…」


「・・・」



 ルカの両親は幼い頃に離婚していた。


 ルカの両親は共働きで、特に父親は多忙であった為に家にいないことが多く、母親も父親ほどではなかったが多忙だった為、ルカは1人でいることが多かった。


 ある日、夫婦関係の縺れからルカの両親は離婚し父親が出ていった。


 それからだった。


 母親が忙しくなりさらにルカは家で1人でいる時間が増えたのは…。


 それをかわいそうに思って、よくルカを俺の家に居させていたっけ・・・。


 今は料理も覚えたりで生活能力も色々見について家で1人でいても大丈夫になったが、やはり家族がいない寂しさは和らげないのか・・・。





 ◆





 家に着いたが、玄関前で俺の母親とルカの母親が何か話していた。


「あ、おかえり涼太!ルカちゃんもおかえり!」


「母さん、何かあったのか?」


「実はね・・・」



 このあと、俺の人生がまさか展開になるとは予想もつかなかった・・・。

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