第14話 絶体絶命のピンチ

 明らかな多勢に無勢、


このままだと私は死んでしまうかもしれない。


何とかして脱出する方法を探さないと。


周りには50人ほどの盗賊団、正面には大きなソファーに座っている親玉ジード。


私が少しでも変な動きをすれば殺される!


「ところで、ここに1人で来るってことは覚悟はできてんだよな?」


「何の覚悟ですか!?」


「ふっ、痛い目に遭うってことだよ」


周りの男たちはへらへらと笑っている。


悔しい……!


こんな悪い奴らが平気でのさばっているなんて。


「ここにいる男たちは女に飢えてるんだ、50人近くを相手にするのは大変だろうが、まぁ、そのあとは楽にしてやるからよ……」


ジードは突然立ち上がり、不気味な笑みを浮かべながらゆっくりとこちらに近づいて来る。


私は警戒をして、ズルズルと後ずさりをする。


「何をする気ですか?」


「あぁ? 決まってんだろう、俺たちを満足させるってことだよ!」


ジードは突然私に覆いかぶさってきた。


あまりに突然の出来事で私は大きな声で叫んだ。


「きゃぁあ! 嫌だ、離してぇ!」


ジードに腕を掴まれ、男の腕力に敵わない。


ジタバタしても誰も助けには来ない。


ここは山のふもとの使われてない屋敷、


特別な用が無い限りは来るわけがない。


あぁ、ハイド様と一緒に行動しておけばよかった。


せっかく仲間にして頂けたのに、


私はまた迷惑を掛けるんだ。


いや、私なんていない方がいいのかもしれない。


ジードの腕は私のローブの上をスススッと撫で始める。


気持ち悪い……。


次第に抵抗する気も失せ始めた。


「おぉ、やっと大人しくなったか、それじゃ遠慮なく―――」


ハイド様……ごめんなさ―――


ドガァァン!


突然扉が吹き飛ぶ音がした。


「な、なんだ!」


盗賊団員たちは音のした方へ身構えた。


土煙の中、スタスタとこちらに歩いて向かってくる。


「大丈夫ですか! ルイさん!」


「ハイ……ド様?」


「あぁ、よかった無事で何よりです!」


そこに現れたのは、ハイド様だった。


「怪我はありませんか?」


「どうして……ここへ?」


「それは勿論、仲間ですから!」

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