第九話魔物を見つけたけどその子が可愛いんだけどどうしよう!?
第九話魔物を見つけたけどその子が可愛いんだけどどうしよう!?
今回は別行動時のエリエル視点の話です。
さて、"魔龍教"について調べるとしよう。
石版には『我等の使役している魔物』と書かれていた。
ということは魔龍教には"使役者(テイマー)"が確実にいる。
「ふっふっふ…………使役者の魔物を使って実験が出来る!! あぁでもせっかくなら友達を連れて帰ってあげたい……だから、使うとしてもほどほどにしよう。どんな子がいるのか楽しみだなぁ」
「おい、エリエル……魔龍教を調べることを忘れるなよ」
「分かってますよ族長……また"魔王"に復活されても困りますから」
「そういえばエリエル、お前さっき石版の文字が古代語に見えたと言っていたな」
「うん言ったけど、それがどうしたの?」
「あの文字もしかすると本当に古代語かもしれんぞ」
「その根拠は?」
「根拠としては弱いかもしれないがあの文字と書き方は共通語以外に古代語を使うことがある魔龍族が郵便の受け取りサインで使ってるのを見たことがあるんだ」
「……弱いって言えるかどうか正直分かりませんけど、私も習ったことがある身としては……かっこいいから受け取りサインで使いたい気持ちは分かる、凄く」
タッタッタ
「おい貴様こんなとこで何をしている危ないぞ!!」
男の子が私に話しかけてきた
何をしていると聞かれたので
「調べ物してるだけだよ」
「あっそう。うるさくしないでよ眠れないから」
「というか気になったんだけど君こそ誰なの?」
私が聞くと男の子は
「マモノ……我は契約者にはそう呼ばれている」
マモノ……それに契約者ってもしかして石版の…………いや憶測で物事を進めるのはダメなのは分かってるけど気になるから普通に聞こう!!
「あのさマモノくん、その契約者ってどんな人なの?」
「我に知識と言葉を教えてくれる優しい奴だ」
「どんな知識と言葉を教えてもらったの? 出来たらでいいんだけど私に教えてほしいな」
「そういうことなら、少しだけ教えてもあげる!! 我が教わったのはな『厨二病はかっこ良いんだ!!』と『欠点というのは自らを好きになるためにあるんだ。だから向き合い克服するんだ!!』と『人魔双方楽しむ世界が一番いい』とか……良い言葉だろ!! まあそもそもの話だけど我は契約者から人語を教わったのだ!! すごい奴だろ、ふふん」
男の子は"契約者"のことを自慢げに話してきた。
そして教えてもらった言葉の中の『厨二病はかっこいいんだ!!』を聞いてその"契約者"は石版の人物なんだろうなと確信できた。
「なあエリエルやつの契約者はさっき聞いた限りでは幾つか良いこと言ってる思うが……なんというか残念そうではあるかもな」
「まあどんな人でも……研究に使えるならなんだっていいんだよ。私の周りにここまでの厨二病の人は居なかったし、その人を探し出すのにこの子は必要だよね……ふふふふふふふ」
「貴様は……何を一人でぶつぶつ言っているのだ? もしかして、何か我に見えない何かがそこにいるのか!? いるんだとすれば、まずは挨拶しないと。こんにちは我はマモノ……よろしく頼みます!! 挨拶は大事って教えてもらったのがここで役に立った、やった」
なんだかこの子可愛いかも
「ねえマモノくん、お姉さんの研究室に来ない? 食べ物あげるよ。他にも欲しいものがあれば言って用意できるものは用意するから……どう?」
「エリエルそれは子供を連れて行くために大人が『お菓子あげるからついておいで』って言ってるのと変わらないと思うが……エリエルの場合本当に用意しそうなのが、余計に怖い。(だけど恋愛に繋がる可能性は摘みたくない、何かありそうなら無理矢理止めればいいか)」
「我は食べ物よりこの世界の知識がほしい!! 我契約者から教えてもらってないから色んな人から教えてもらいたいのだ、ダメか?」
「オッケーオッケー大丈夫だよ。マモノくんが困らないように私が色々と教えてあげるから!! 教えることは健全なことだから大丈夫だからね!!」
「絶対俺に言ってるだろ。それとエリエル……研究室は安全にしとけよ、絶対危ねえ物転がってるだろ」
「そっ、そんなことはないよ〜、ヒューヒュー」
「危ねえ物が転がってるのは分かった。エリエルこの子にはまず整理整頓を教えてやれ、分かったな!!」
「はっ、はい分かりました族長」
よし実験はこの子のために安全なものにしよう!!
私はそう決意しこの子を連れてルカたちを探すことにした。
ルカのワクワク冒険記〜お母さんたちの子供の頃の夏休みの出来事の話聞いてたら旅がしたくなってきたから行ってきます〜 暗黒神ゼブラ @ayumu20
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