第10話②バックスミーティング

「俺はどっちでもいいよ。勝てるなら」


「それじゃだめだと思います。

吉川さんは自分たちの統一した確固たる意思と覚悟をを持たなきゃいけないことを言われていると思います」


「今のままでも勝てるんじゃない」


「勝てないの気づいているだろ。

俺たちは大学生にも負けてるんだ」


「勝ちを放棄した負け方をしている。

俺たちは何かを壊して、変化をしなければ今のままだ」


「変わる勇気を持つ時期なんじゃないですか」


一通り意見が出て吉川擁立に話がまとまりかけていたとき、静かに桜庭が口を開いた。


「俺は、、、やっぱり勝ちたい。

勝つならノンメンバー含めてチームで勝った。って心から実感する勝ち方がしたい。

だから、吉川さんのやり方にかけてみたい」


桜庭は試合に出られない疎外感を感じていたことがある分、チームとして成し遂げることに強い意志を持っている。

ファンサービスを積極的に行い、ファンを呼び寄せる。

休みを返上し、試合に出なくても地方開催の試合でも運営を自らかっている。そのことを知っているメンバーたちにとって桜庭の言葉は非常に重かった。


「まあ吉川さん受けてくれるか分かんないけどな」

北村はおちゃらけながら言った。


みんなが笑いながら起こした拍手の渦が吉川擁立を決定付けた。




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