弱冠19歳の著者が放つ「ガチ」の本格ミステリ‼

※第一編までを読了した時点での感想です。

さて、上に書いた「ガチ」の意味について、辞書には以下のように記されています。

『真っ向勝負、小手先ではない正面からの本気のぶつかり合い、などの意味で用いられる表現。』

本作には、これらの表現がそのままピタリと当てはまります。

なぜなら、本作はロジックによる謎解きを追求する姿勢において、一切手抜きのない渾身の力作であるからです。

密室トリックについては、少しネタバレ気味にはなりますが、文系読者にとってハードルが高いかもしれません。

しかしながら、犯人を特定する過程=ロジカルな推理、において突出した成果を上げています。

100%ロジカルな推理小説というのは今だに存在していない(あるいは今後も存在しえない)と思いますが、作者はその遥か高みを目指そうとする意志を、実作を以て表現しています。
しかも、19歳という若さで。空恐ろしい限りです。

本格ミステリに少しでも興味のある方は、是非とも作者の本気と向き合ってみてください。

また、本格ミステリにまったく興味が持てない方は… そんな方にも「世の中には、こんなにもロジックにこだわる特異な形式の小説があるんだなあ」ということを発見していただきたいです。

若き才能のほとばしる本格ミステリ、是非ご一読ください。

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