第71話 『ながらスマホ』を無くすには_1

「じゃあ時間になったから、各班の意見を発表してもらってクラスとしての結論を出すからな。最初に発表したいチームはいるか?」

「はいはい!」

「おぉ、じゃあH(エッチ)班からA班に向かって発表にするか。発表は桜庭からで良いのか?」


「はい。では桜庭大地からH(エイチ)班の発表をします。僕らはまず『ながらスマホ』という言葉について考えました。『ながらスマホ』というと、◯◯しながらスマホを見る、という捉え方になると思います。そうするとスマホを見るのが良くないという議論になってしまいますが、僕たちは『ながらスマホ』ではなく、スマホを見『ながら◯◯』なんじゃないかと考えました。


歩き『ながらスマホ』や食べ『ながらスマホ』ではなく、スマホを操作しながら歩く。スマホを操作しながら食べる。これらスマホを操作しながら◯◯するという行為が周りに迷惑をかけずに出来る人と出来ない人がいます。この出来ない人が事故を起こしたり迷惑をかけるのだという仮説をたてた我々は、1つの解決策を導きだしました。我がH(エイチ)班の鮫口さんは、スマホを操作しながらなんでも出来ると言っています。先程も議論し『ながらスマホ』をやってのけました。


彼女のようなスマホを操作しながら他の事も出来る人だけが『ながらスマホ』を出来るように、『ながらスマホ』資格を作り、合格したものだけが『ながらスマホ』を出来るようにすれば解決すると結論付けました。運転免許と同じです。免許証を持ってる人だけが車を運転できる。『ながらスマホ』免許証を持ってる人だけが『ながらスマホ』できる。『ながらスマホ』を無くすのではなく、『ながらスマホ』で周りに迷惑をかける人を無くす。これがH(エイチ)班の結論です。ありがとうございました。」


「なるほど、極端な意見だが良い視点を持ってるな。H(エッチ)班ありがとう。じゃあ続いてG班発表してくれ。」


「はーい、私たちF班は『ながらスマホ』を無くすためには、スマホの機能の中に『ながらスマホ』を出来ないようにするものを装備すべきだと考えました~。例えば歩いてるとスマホが認識している時には電話とかの一部の機能を除いて出来ないようにしたり、車に乗ってるときには操作出来ないようにしたり。車のカーナビの操作が止まってる時しか出来ないようになってたりしますよね?そんな感じで、スマホの機能で『ながらスマホ』を無くすことが出来るんじゃないかと考えました~。」


「なるほど、人の意識や法整備ではなく技術力で『ながらスマホ』を無くすという意見だな。ありがとう。じゃあ続いてF班発表よろしく。」


「はい、僕たちは『ながらスマホ』を無くすには『ながらスマホ』をしていることに気づかせることが重要だと考えました。潔癖症の人って、汚いって気づくかどうかだと思うんですよ。外のものってだいたいが汚いじゃないですか?見た目では分からない汚いものもあるわけだし、汚いと認識してないと例え汚かったとしても気にならない。僕も今までトイレの便座とか気にしてなかったんですけど、匂いが気になって便座シートで拭くようになったら意外と汚いことに気づいちゃったんですよ。だから『ながらスマホ』も、今『ながらスマホ』してる!って気づかせることができたら、完全にではないけど減らせると思うんですよ。だからG班と少し同じ方向ですけど、スマホの画面にいま『ながらスマホ』してますよーって出るようにしたら、『あ、いまながらスマホしちゃってる』って思って辞めると思うんですよね。何回も画面に出るようにすれば、めんどくさくなって止まって操作したりするようになると思います。以上です。」


「ありがとう。潔癖症の話が大半を占めていたが、F班も技術力で無くしていこうという意見だな。じゃあ続いてE班発表よろしく。」

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