02 鏡送りの儀
「人、すごいねー」
「全く、このど田舎のどこにこんなに人がいたんだよ」
行政区分的には『町』であるのだが、
今日はこの
地域住民はもちろん周辺部からも人が集まり、普段は閑散とした神社周辺も大変な賑わいを見せていた。
「おっ、来た来た」
「おーい! さなちゃーん、なぎちゃーん!」
神社入口で
中学三年の
現在、
「すごい! 人がいっぱいいるよ!!」
「あ! 待って、みっこー!!」
はしゃいで駆け出す
その場に残されたのは男ふたり。少しむさ苦しい空気をまといながら、ゆっくりと参道を歩く。
「みっこは昔から落ち着きがねーよな……
「はは。てか、こっちが影響受けてるよ。だんだん細かいことが気にならなくなってきたというか」
「おいおい、頼むよ! 俺らの中で唯一の知的キャラなんだからさ……」
「うん。大丈夫大丈夫。そんな事より――」
「ん?」
「お前はどうなんだよ」
「ど、どうって……何がどうだよ」
必然的に、残るは
「
「なっ……!! 取られるとか、そんなんじゃねーから」
来年からは高校生になる。
進学先の高校には、地元以外からも多くの生徒が集まってくるだろう。
「そんなんじゃ、ねーから……」
自分に言い聞かせるように小さく呟くと、
「ほらやってる、『
「ちょっと! 一回止まってってば、みっこー!!」
祭のクライマックスに行われる、『
普段はご神体として
「ありがたやー、ありがたやー!」
「ほら
「はーい」
「……
地元の小学生による
これは地域の繁栄と平穏を祈念する、由緒ある神事なのであるが――
「よーし! じゃあどっから――」
「それなんだけどさ」
儀式が終了し、目を輝かせながら振り返る
「俺は
「え……ええっ?」
突然の提案に、
――おい、おいおい……!
「花火、七時半からだから二十分ぐらいにまた入口のところで。じゃ」
「
――おいおいおいおい……!!
てきぱきと段取りを進め、
去り際に見せた意味深な笑顔から察するに――これはまんまとしてやられた形だ。
――くっそ
心の中で毒づいても、もはや手遅れ。
すでに
この状態で
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