伝説の鳥

第15話「抗わぬ者たち」


南アメリカには多くの巨大な鳥が生息する


最強、最大、伝説、様々な鳥がこの地では羽ばたいている




現代、最強の猛禽類と名高いオウギワシ

平均的な雌は全長1m

翼を広げれば2m、体重は7.5キロ


この種は人を攫う事が出来るとも言われている


だが、実際には自身の体重と同程度の物を運べる程度である



では、過去も含めて史上最大の鳥は何か?


飛ぶことができる種では


約600万年前に生息した太古の鳥アルゲンタビスが最大と言われている



翼を広げれば7m、体重は70キロ 

規格外の大きさである


ただ、自力で飛ぶことが出来ず

山の斜面などを利用し滑空していたとされている


世界各地では、様々な伝説の鳥の話が多く残さている


南アメリカも例に漏れず、不可思議な伝説の鳥の話が語り継がれている



-アタカマ砂漠-


1人の男が砂漠の真ん中でふと立ち止まり、自身の手の平を見た。


手の平には金粉が舞い降り、男は空を見上げた。


空には黄金の鳥が羽ばたき金粉を降らせていた。



その男はピクンチェの頭領であるミチマだった。


マプチェ達のシンボルであるバンダナをつけてはいなく、ミチマの出立もやつれていた。


ミチマは黄金の鳥を見ながらこうポツリと呟いた。

「お前も抗わぬのか。」




-南のマプチェ/河辺-


まだあどけなさの残る幼きラウタロが川辺で佇んでいる。


バサバサと鳥の羽ばたきのような音がして、金粉が降ってきた。


聞いた事もない様な動物の鳴き声がする。


ラウタロは空を見上げようとした時に、何者かに突き飛ばされた。



ラウタロは体勢を立て直し、自分が佇んでいた位置に目をやった。


そこには幼きナウエルが立っていた。


そして、ナウエルは両肩を爪の様な物で掴まれている。


その刹那、ナウエルは上空まで浮かび上がった。


ラウタロはさらに視界を広げると、巨大な鳥がナウエルを捉えて、羽ばたいている。


それをラウタロが認識したと同時に、一瞬の内にナウエルは巨大な鳥によって遥か彼方まで連れ攫われてしまった。


ラウタロの周りには、金粉と金の羽だけが漂っていた。

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