第12話「旅立ち」

-ペルー南部-


グレゴリオ「マプチェか・・」


ロレンツォ「暇になっちゃいましたねぇ。

んーまたあの地に戻るってのもいいかもしれませんね。」


カスティニャダ「正気か?待てよ。

確かに・・バルディビアは遺恨を気にするような奴じゃないな。」


ロレンツォ「そう言えば、僕たちが戦った相手の斧が金色に光ってませんでした?」


!!


カスティニャダ「・・思い出した・・奴のインパクトがあり過ぎて、すっかり忘れておったわ・・」



「みなさーん。」


カスティニャダ、ロレンツォが声の方へ振り返った。


エレロ「ひょっとして、南へ向かうのではないですか?」


ロレンツォは怪訝そうな顔でエレロを見る。


エレロ「やはりそうでしたかー。

私も連れてってくれませんかね?

一文無しになっちゃいまして・・」


ロレンツォは呆れた感じでエレロに言った。


ロレンツォ「まぁた、賭け事ですかぁ?」


エレロ「今回は返せそうにないので、逃亡も兼ねてます。」


カスティニャダがしばらく間を開けて、口を開いた。


カスティニャダ「・・ふん。

まあ、よかろう。

奴も使える奴が一人でも多い方がいいだろう。

再び死神退治といくか。」


カスティニャダ一行は、石の墓標を後にした。



石の墓標には、

「1542年 ゴメス・デ・アルバラド死去」と刻まれていた。


ゴメス・デ・アルバラドは、ピサロから離反したディエゴ・デ・アルマグロの元で征服者として名を馳せた。


1538年 ディエゴ・デ・アルマグロの処刑


1541年 フランシスコ・ピサロの暗殺


南アメリカでのスペイン勢力の覇権は、この時目まぐるしく揺れ動いていた。


そして、翌年の1542年にアルバラドは病に倒れ人生の幕を閉じた。

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