第46話【絶無を極めた男】

ーセブン視点ー

後ろから嫌な気配を感じた。その気配はどんどん近づいてきて、どんどん空気に溶けていく。

セブン「早期に気づけて良かった。場所を移すか」

俺は高速移動で街の外れにある公園に向かう。無論、嫌な気配を持つヤツは俺を追ってくる。

あえて人通りの多い道を通り、襲撃を避け、公園にたどり着いた。

セブン「もう出てきていいんじゃないか?」

そう声をかけると、ヤツは隠れていた茂みを退かして俺の前に現れた。見た感じ、悪魔ではない。軍人だ。

軍人「全く...嫌な道を通るね。襲いづらかったよ」

セブン「当たり前だろ。まああそこで襲撃して騒ぎになっても良かったんじゃないか?」

俺が笑ってそう言うと、ヤツは小さく笑ってこう言ってきた。

軍人「僕たちは公にバレちゃいけない組織。騒ぎを起こしたら処刑されちゃうよ」

セブン(なるほど。この組織は暗殺組織か)

軍人「僕に気づいたお礼に名乗ってあげるよ。僕は氷室星太ひむろせいた。君は雄介の組織のリーダーだよね?」

セブン「そうだな。俺の殺害目的で来たか?」

俺がそう聞くと、ヤツは両手から黒い弾を出して言う。

星太「正確に言うなら君たちの組織壊滅かな...」

すると星太は黒い弾を俺に投げつけ、こう唱えた。

星太「絶無〜侵食〜ぜつむ〜しんしょく〜

するとそれは一気に解放されたように巨大化し、もう一つの黒い弾はそれに弾かれた。

セブン「なんだよこれ!」

俺は飛んできたものを剣で弾こうとする。しかし

ビュゥン...

セブン「ッ...!」

なんと俺の剣がその弾に侵食されて無と化していく。俺はすぐにそれを捨てて星太から距離をとった。

セブン「なんだその力は...!」

星太「僕の力は絶無。どんな現象も通さないよ」

俺は実体のないものを利用するとどうなるか調べようと衝撃波を放つ。

シュシュッ...

星太「絶無〜拒絶〜ぜつむ〜きょぜつ〜

ヴゥン...

セブン「衝撃波も通さないのか」

星太「僕に害をなすものは全て拒絶される。どんな攻撃も無意味だよ」

こいつの能力は相当なものだ。エネルギーランクはSS。かなり鍛え抜かれているだろう。

セブン「お前の能力...俺が完全に超えてやる!」

星太「無理だと思うけどねぇ...」

ヤツはため息をついてそう言う。しかし俺には打開策がある。それは意識外からの攻撃。能力を使う前に対応できなければ意味がない。

セブン「まずはこれだ!」シュン

俺は即座にナイフを投げる。するとさっきの拒絶する力をヤツは使ってきた。

星太「そんなナイフは無にしてあげるよ」

しかし

セブン「帝王・法則カイザ・ノモス

キン!!

すると俺が投げたナイフが軌道を変え、ヤツの足元へと向かう。

星太「えっ...」

星太は驚きながらも渦巻く能力壁でナイフを防ごうとそれを即座に操作する。そしてその壁が動き始めたとき

セブン「予想外を作る...そういうことだ!」

そして俺はまた能力を使う。

セブン「帝王・逆転カイザ・アンティストロフィ

キキンッ!!

星太「うぅっ!?まずい!」

セブン「いけっ!刺されぇぇぇぇぇ!!」

グサァッ!!!

俺が操作したナイフは星太の急所に刺さった。その刺さった場所は...

星太「嘘だ...僕の左眼が...うわあああああ!!」

次回に続く!

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