『古代史の復元』より

 飛騨口伝は飛騨の地で古来より語り継がれている口頭伝承である。前項で参考資料の著者は超能力研究者だと書いたが、仮にも学者であれば、ない物をあるとは言わないだろうとして、「飛騨口伝は存在する」という立場で書く。捏造(氏でなくとも、どこかの時点での)であるという立場は取らない。いつか本当に存在するものなのかを確認しに現地へ行きたいと思っているが、とりあえず今はそうしておく。


 で、書籍内から抜粋する事はさすがに大変なので、これを研究しているHPから抜粋させてもらった。口伝は事実ならば、数千年語り継がれている物で著作権は存在しない。また、公開しているHPはリンクフリーとのことなので、ありがたく使わせていただくとする。

(『古代史の復元』https://mb1527.thick.jp/N3-01-1hidakoku.html)



①縄文時代と思われる口碑

 天皇家は、神武天皇以前から上方様(うわかたさま)と呼ばれた時代が約6000年続いた。上方様の時代、天皇家は末子相続制だった。子だくさんの時代であり、兄弟姉妹は、民間に降りて婚姻し、多くの人々と血縁関係を結んだ。人口が増えてくると、人々の一部は、新しい土地を求めて、土地を去って行った。

 そのときに、上方様の血族であるという証に、勾玉をもらっていった。勾玉は、湾曲した石で、その湾曲した部分には、皇室の魂が宿るとされた。去って行った人々は、それを我が身の係累の「証」として大事な折には身につけることを伝統とした。そうして何世代かが経つと、それぞれの土地に定着した人々が、はじめはひとりふたりだったものが、幾世代を経て、何百人かの集落となる。こうなると、同じ先祖を持つ親戚同士(村同士)でも、何百年も交流がなくなることがあり、そういう村同士が、ある日、なんらかのことでトラブルになる。村同士のイクサですから、これは村国家の一大事で、村長であるリーダーは、胸にご先祖伝来の勾玉を下げてイクサの場に赴き、相手の村国家の軍団と対峙してみると、相手の村長の胸にも、同じ勾玉が!  

 そこで、


「やあやあ、あなたも上方様のご一統ですか」

「ハイ、私は何代の○○様の時代にこの土地に来た者です」

「そうですか。私は何代の□□様の時代ですよ」

「それなら、お互い親戚ではありませんか。ならばイクサなど辞めにして、一緒に酒でも酌み交わしましょう」


などとなって、流血事件が避けられたのみならず、互いの村国家同士の交流が深まり、互いに発展することができた。

 そんな「証」が、勾玉であった、という。



②弥生時代の直前と思われる口碑

 飛騨は涼しくて、食べるものが豊富にあり、人々は大自然や先祖に感謝をして、”日抱御魂鎮”(ひだきのみたましずめ)をして平和で幸せな生活が長い長い間続いた。今から約2500年前のころ、大淡上方様(おおあわのうわかたさま)と申し上げる、賢くて、とてつもなく神通力を持ったお方が旗鉾(はたほこ)の奥の方に出られました。

 大淡上方様は深く深く日抱御魂鎮をして、「先祖代々このかた、皆、平和で幸せで仲良く暮らしてきたが、これから将来海から上がって来た人たちが暴れたり、喧嘩したりする事が起きてくるだろう。

 今までは、ただ仲良くしてきただけでよかったがこれからは団結して固まってゆかねば幸せを守ることはできない」と考えました。(いざと言うときに備えて国造りをせねば)

 大淡上方様がのう、日本の国を、あのころは日本とは言わなかったのだが、日本の国を末永く立派に保つにはどうしたら良いか、外国に侵略されないようにするにはどうしたらよいか、いろいろとご心配下されたそうじゃ。

 そして、国内のあちこちに使いをだされたのだ。・・・

 口碑では、日抱御魂鎮を行って一番の大神通力者であり皆から敬わられた大淡上方様が、行く末を見通す神通力(未来の透視)によっていずれ海から上がって来た人達が暴れたり、喧嘩したりするとはっきりわかったのです。我々の先祖は本当に尊い方々であり、みんなが末永く幸せに暮らせるためにはどうしたらよいかと日抱御魂鎮を行って考えたと思います。日抱御魂鎮は「祈りの精神統一」であり大自然に感謝し先祖に感謝しみんなが幸せになるよう祈る。本家と分家という仕組みを作り国を護ろうとした。

 大淡上方様の長男の直系の山麓住日高日抱奇力命(ヤマノフモトズミヒダカヒダキクシキチカラノミコト)や次男の山下住水分奇力命(ヤマシタスミミクマリクシキチカラノミコト)は飛騨の要所を固め、末っ子の直系命(マッスグノミコト)が直系を継がれた。

 だんだん温度が下がるにつれて、西の方へもだんだんと広がって行った。大淡上方様は子供や孫や部下の者に、常に国を守って立派にすること、そのためにはまとめ役をする人によく仕えて団結すること、将来のことを見通して大きな希望を持ってやりぬくこと等々を教えられてのう。子は孫にまた孫にと子孫は受け継いたんじゃ。

大淡上方様には子が大勢おられてのう。一番賢くて一番神通力の強い末っ子の御方が大淡上方様の跡を継がれて、他の兄弟は、区別をするために姓をもらって分家(あぜち)をしたんじゃ。大淡上方様も生前は上方様と申し上げて、上方様の家は代々名字が無うて、分家をするときに苗字をもらったんじゃ。代々の上方様は一人一人名前をよう覚えておらんが、末っ子や女の人に賢い人がよく出られてのう。先代に分家した者、先々代に分家した者、兄や姉も皆、上方様上方様と敬い申し上げてのう。よくお仕えしてのう。また上方様は皆の者を可愛がって下されてのう。

総本家の上方様を中心にまとまっておったんじゃ。云々。」

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