軽トラとコアダンプ

葉脈みるく

軽トラとコアダンプ

就職の面接を受けるため、いつもは通らない道を、車で走っていた。どこかに工事現場があるらしく、頻繁にダンプカーが対向車線を走ってくる。道がくねくね曲がっているため、怖くて仕方がない。前方を走っているのは軽トラである。軽トラには、FreeBSDのステッカーが貼ってあった。

そのときスマートフォンが鳴った。オンダッシュモニターで出ると、これから面接を受ける会社の人事担当の方からであった。「道、わかりますか?今、工事をしている・・」そこで、オンダッシュモニターはコアダンプを吐いて、通話を終了してしまった。

面倒だな、と思って前方の軽トラを見ると、停車して、ラップトップを片手に、なにやらマイクに向かって話している。見ていると、会話は終わり、また軽トラは出発していった。

面接の会社に、なんとかたどり着いた。感染症対策と言われ、会議室でひとり、Linuxマシンのモニターに向かい、別の部屋の面接担当社員と会話したのであった・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

軽トラとコアダンプ 葉脈みるく @miwasakipiano

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る