3がぷっ! ヤンデレJK乙女の場合
「うがああああああ!!!」
「やばい!
ゾンビのくせにあいつら、なんて足が速いんだ!
陰キャオタの俺に体力なんてないし!
絶対に追いつかれる!
おいおいおいおいおい!
あっちからも、こっちからも来るし!
久佐田さん、どうしよう!?」
やば!
やばやばやばやば!
あたし、平くんと手〜繋いでる!
うそ!
力いっぱい!
引っ張られてる!
こんなの愛の逃避行じゃん!
「うがうがうがうがうが!
うがう!」
ヤンキーギャルのあたしが陰キャオタに声かけるとヤン友がぜってぇガン飛ばすからって、平くんへの乙女でピュアな想いをずっと我慢してたんだよね!
花壇の水やりに、誰もいない教室で掃除に、バトルで怪我したあたしにバンソーコーくれたり!
いまも直接、ていっね〜〜〜!に、優しく貼ってくれたし!
きゃあああああ!
平くんはこんなあたしにも優しいんだよ!
萌える!
惚れる!
噛みつきたい!
あれ?
噛まなくてもいいんじゃん?
「うがががががが!
うがう?」
「久佐田さん、そのウガウガ語は一体なんなの!?」
は?
だから別にうがうが言ってねぇし?
「うが?」
走った先で袋小路な行き止まりに追いやられる二人!
「ダメだ! もう逃げ場がない!
久佐田さん、危ない!」
ぎゃっっっふ〜〜〜〜〜〜!?
抱きつかれてる!
まじ!?
人生、初のハグ!?
やばいし!
心臓ドキドキ!
……しないなあ?
あ……ちょっとするかも!
でも、やばすぎ!
なんか力がみなぎる!
「うっごうっご!」
「うわああああ!?
ゾンビに捕まる!?」
ああん!?
このゾンビども!
あたしと平くんの恋路を邪魔すんじゃねぇよ!
うらあああああああ!
「うがああああああ!!!」
平くんの両手を振り解いて!
取り囲むゾンビ集団にヤンギャルパンチにヤンギャルキック!
ヤンギャルドロップキック!!!
「久佐田さん、すご!
でも、パンツ見えちゃうから気をつけて!」
おパ〜〜〜ンツ!
ちょっと、そういうこと言うのやめてくれる!?
恥ずかしいんだけど、見られちゃった!?
今日はどんなのはいてたっけ!?
え?
まじ?
ツギハギうさちゃんじゃん!
「うさがんじゃん!」
「なんで思いっきり確認してるの!?
見えちゃうよ!?
きゃあ!?」
うさちゃんて、子どもかってぇの!
純潔乙女なんだから、しょうがないじゃん!
うさちゃん、好きなんだから!
恥ず!
恥ず恥ず恥ず恥ず恥ず恥ず!
ケンカすんのもう無理だし!
こういうときはあれだよね!
逃げるが勝ち!
よっしゃああああああああ!
「うっがああああああああ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます