第29話 『最終手段』
しかし、幾何学的に立ち回る巨大なタイムマシンに、ふたりは成すすべがありません。
タイムマシン起動まで残り30秒を切った時、ドク博士は、駄目もとで助手くんにこう命令を下しました。
「助手くん、どんな手段を使っても構わん! このタイムマシンに飛び乗るのじゃ!!」
選択肢がそれしか無いと悟った助手くんは、腹を括り、今もごろごろと重たい音を立てて転がるタイムマシンに狙いを定める様に右手を伸ばし、こう叫んだのです。
「助手くん、ロングハァ~〜ンドオォオ!!」
続けざまに、こうも叫びました。
「が、アッタラ、飛び移レたのに! 多分!!」
「なんか、すまぬ!!」
助手くんを発明したドク博士は、素直に謝りました。
残り時間15秒……助手くんは、自身の【リア充殺戮兵器】の性能を生かすように体内に両腕を瞬時に格納、内部であり得ない速度と動作で銃器に変型させると、再び体外に放出して最終手段ともいえる作戦に打って出ようします。
「博士! コウナッタら、このタイムマシンを破壊しまショウ!!」
「やめんか! そんな事したら、この研究所が消し飛ぶじゃろ!?」
「タイムマシンが起動した方が、モットひどい結果にナルト思うんデスケド〜〜っっ!?」
助手くんが必死に訴えるも、最終手段はドク博士の独善により、封殺されてしまいます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます