第43話 生徒会長のスキル




 転移罠に乗る。

 景色が移り変わった。

 見慣れないな。

 と言うことは十層より下か。


「いない? 移動したのか?」


 周りを確認すると七海生徒会長が驚いた声を上げる。

 モンスターに襲撃されて逃げたのか、はたまた血も残さず貪られたのか、わからないがここにはいない。

 ドローンピットを飛ばして探すか。


「探してこよう」


「やめてください。会長が単独でいくのは危険です」


 一人で七海生徒会長ば行動を起こそうとしたので静止をかける。

 流石に他の生徒よりもできると言っても、一人では確実にやられる未来しか見えない。


「スキルで私は集中している間、流れる時を遅くすることができる。モンスターと遭遇しても連れて逃げるだけならできるはずだ」


 七瀬生徒会長は走るのを再開したようで、その場から消えた。


「時間を遅くできるか。確かにそれならバビロンよりも早く動けることも納得か」


 念の為にドローンピットを飛ばして見るが、言葉をそのまま受け取るなら七海生徒会長でも十分対応できそうな気がする。

 ドローンで周りを見ると、奥の部屋で侵入しただろう二人組を七海生徒会長が担いでいるのが見えた。


「そこか」


 現状何も起きていないが生徒会長たちがいる場所に向けて急行する。


     ───


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