第40話 バイクに変形
「一昨日ぶりだね。まさかあんな化け物がいるなんてね。君に配信に行かせたのを恥いるばかりだよ。すまない」
理事長室に入り、対面すると猫屋敷さんはそう謝ってきた。
迷惑をかけてるのはこっちだと思っているのだが、こっちの方を気遣ってくれるとは組織の長だけあって器が広いな。
「君に対して配信の真偽検証や、ダンジョン研究に協力してもらうために身柄を引き渡せと幾らかの機関から声をかけられたが全て断らせて貰ったよ。これが私なりの贖罪のつもりだ。あそこで騒いでいるマスコミも今すぐに学園から消えて二度と現れないだろう。君も何も気負わずに学園生活を送ってもらえば幸いだ」
「胡散臭いですね」
猫屋敷さんが実に頼り甲斐がある言葉をくれると、シラメさんが突っ込む。
俺の印象とは裏腹に相変わらず実の娘からの信頼がゼロに近いなこの人。
一体何があったと言うんだろうか。
「ふう。酷いな。私はいつも生徒のためを思って行動してると言うのに。シラメもよく知っているだろう」
「……」
「すまない。話が逸れたね。君を安心させたくて今回は呼んだだけなんだ。ゆるりと学園生活を謳歌してくれていいよ」
猫屋敷さんははそう激励してくれると早々に解放してくれた。
マスコミとか何か面倒そうだったので学園側でやってくれるならラッキーだ。
「お父さんと何かあったんですか?」
「べ、別になんでもないわよ」
毎回のごとく衝突しているので気になって問いかけるとあからさまに動揺したようにシラメさんが否定する。
これは確実に何かあるな。
「……聞きたい? ……話」
俺が確信するとシラメさんが話したそうに毛先を弄りながらチラチラ見てきた。
なんか重そうだが聞いた方がいいよなこれ。
俺がそう思うとチャイムが鳴り始めた。
「や、やっぱ忘れて」
シラメさんはそういうとダッシュで走っていた。
「マスター朝礼に遅れます。乗ってください」
「ば、バイクに変形した」
尻切れとんぼになって気になりつつも、新機能なのかバイクにトランスフォームしたバビロンに跨ると朝礼に向かう。
ギリギリ間に合った。
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