第12話 物量には物量を


「ゴブぅぅぅぅう!?」


 門を貫いたバーズーカの弾はゴブリンの群れに炸裂して、ゴブリンが消し炭になって消える。


「ゴブ! ゴブゴブ!!」


「うう……」


 それに慌てたように鎧姿のゴブリン──ゴブリンナイトたちが負傷して身動きの取れない生徒たちの首筋にナイフを突きつけ始めた。


 人質にとりやがった。

 おそらくゴブリンの要求は人質の命が惜しければタコ殴りにされろということだと思うが、当たり前だが素直に従うつもりはない。


 俺は卑怯な奴には卑怯で応じる。

 あちらに気取られないやり方で攻撃するだけだ。


 バズーガを手離して武装解除したフリをすると、ドローンをモンスターの群れの中に紛れさせて飛ばす。

 ゴブリンナイトたち人質に突きつけたナイフを緩めるのが確認すると、モンスター群れの中からゴブリンナイトたちをビームで狙撃する。


「ゴブぅ!?」


 ゴブリンナイトたちが頽れ、人質が解放されると人質をドローンで囲んで安全を確保する。


「ゴブゥぅぅ!」


 バズーカを手放してこちらに近づいてきていたゴブリンたちが人質の優位を失い焦ったのか、雄叫びを上げて総攻撃を仕掛けてくる。


「物量でくるならこっちも物量で応戦だ!」


 両腕からガトリングを展開、搭載されたミサイルを全門解放し、ドローンを全射出、ビーム兵装を召喚する。


『モンスターハウス内にいる全モンスターにターゲットロック完了』


 全てのモンスターに向けて展開した全武装で総攻撃する。

 ガトリングが蜂の巣を作り、ミサイルが煉獄の火花を咲かせ、ビームが射線状にいる全てを滅却する。

 全てが終わった後、原型を残し、そこに残ったのは負傷した生徒たちと彼らを守るドローンたちだけだった。


「終わったな。負傷した生徒たちを回復させてやってくれ」


『了解しました。マスター』



  ────


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