ほこりライアー

第24話


夏ノ瀬埃は、同級生だ。


だからといって関わりもないし、


関わろうとも思わない。


そう思っていたが。


「おはようございます、ねここさん!」


「おはよう。姫野」


「ところで知ってます?他クラスのホコリさんのこと」


「ん…、名前だけ。最近よく聞く名前だね」


「その人の言ったこと、全部本当になるって噂なんですって。気になりますわ」


「そうかな…。めちゃくちゃうさんくさいんだけど」


「会ってみたらどうです?きっと仲良くなれますわよ」


「無理。無理無理無理無理。同級生とか一番話しづらいに決まってるよ」


「決まってませんわ。ほら、行ってみましょうよ」


「どこにいくのー?」


「うわっ…」


ふんわりとしたボブに、


明らかに巻かれているであろう髪の毛をした彼女が、


夏ノ瀬埃。


ニックネームはホコリで、


明るく、ほがらかな性格。


つまり、どういうことかというと。


私が一番苦手なタイプの人種ってことだ。


「私とー。喋りたいんでしょー?じゃあー、喋ろー?」


「え、ええ…?」


「ツキミちゃんだよねー。うんうん、知ってる知ってるよー。」


「なんで…?」


「ツキミちゃんの今日をみてあげるー。今日のツキミちゃんは___」




「水!!」




***


うわ、本当に最悪だ。


帰ってる途中で雨も降ってくるし、


手を洗おうとしたら蛇口をひねりすぎて顔にかかったし、


靴下とか教科書とかびしょぬれだし。


本当に、なにが起こってるんだ…


___そうだ、水だ。


案外、噂は本当かもしれない。


どうしよう、興味が出てきてしまった自分に、


今どうしようもなく呆れている。


***


「それでー、どうだったー?昨日の、あたったー?」


「当たった…、当たりました。本当に。」


「そっかそっかー、それで今日もってことだねー?」


「はい、まあ気になっただけです、別に」


「ふふ、ツキミちゃんはツンデレさんだねー。かわいー。」


「は、はあ?!ツンデレじゃないです!」


「いやいや、おもしろいねー、本当。」


「何がですか?」



「私は嘘つきなのにー、それが本当になっちゃうなんて、本当面白いよねー」



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