優秀な偵察者22


「よし、俺らも行くぞ」


「はい」


「・・・ちょっと、何してるのよ?」


後部席のドアに手をかけて、止まる。「えっ」


「何度も言ってるでしょう、あなたは前よ」


「・・・いや、来る時も後ろだったし」


「なんでもいい。中条、前乗れ」


瀬野さんが呆れながら後ろに乗った。

なんというか、今、隣に座るのは気まずいんだが・・・。


「雪音ちゃん?どうしたの?」


でも、意識しているのはわたしだけのようで、早坂さんはいつもと変わらない。それが若干、腹立たしくもある。


自然と溜め息が出た。

この人はいったい、何を考えているんだろう。それを知るには、本人に聞くしかないわけで──・・・諦めて、助手席のドアを開けた。




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