第66話ダイヤの指輪

かくしてラビィは手に入れた。ダイヤの指輪を手に入れた。労働者と鉱山の権利証。世界一硬い鉱物で出来た権利証。

ラビィは沈没船探索したときのことを思い出した。ラビィはもしこの手錠が魔法でできたものでなければ、この権利証で工業用の黒ダイヤカッターでも動かしてもらって、手錠を切断できたのにと悔しい思いをした。

となるとあとできることはこれだけだ。

ラビィは再び沈没船探索したときのことを思い出した。ダイヤはハンマーで壊せる。

ラビィはその辺に転がっていた一等硬そうな掘削道具のハンマーを見つけてひろってきた。鎖でつながれている労働者たちを解放するのだ。

間も置かず、思い切ってダイヤの指輪に向かって打ち付けた。

ガッと、鈍い音を立てると、指輪のダイヤは粉々に砕け散った。

労働者たちから歓声が爆発したようにあがった。

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