インターハイ予選決勝ー徳丸高校ー

 俺たち、城伯高校じょうはくこうこうはインターハイ予選の初戦、埼玉私立平塚高校さいたましりつひらつかこうこうに勝利した。


 その後も勝ち続け、なんと、インターハイ予選決勝まで辿り着いた。


 準決勝の後は2日空けて、決勝が行われる。


 今日はインターハイ予選決勝前日だ。


 練習はするものの、軽めの練習のみ。明日に疲労が残って試合ができないなんてことにならないように。


 ただ、インターハイ予選決勝は初めての経験だから、緊張する。


 相手は去年、俺が2年のとき、インターハイ予選の初戦で当たった埼玉県立徳丸高校さいたまけんりつとくまるこうこう


 接戦の末、負けてしまった。その悔しさがある。それが今度は予選決勝で当たるとは。


 軽めの練習を終えて、俺たちは疲労を残さないようにストレッチやマッサージを念入りに行う。


 たまにストレッチやマッサージを行わず、終了してしまうこともあるけれど、練習、大会など、体を動かした後のストレッチやマッサージは、練習よりも大切だったりする。


 疲労回復も当然あるが、ハードに動かした後の筋肉は縮小してしまい、血流の流れが滞ってしまう。そのため、ハードに動かした後は、ストレッチやマッサージで筋肉を伸ばし、血流の流れをスムーズにする。


 また、ハードに身体を動かすと、心臓への負担が大きくなるため、急激にやめてしまうと、突然、意識を失ったりする可能性もあるので、クールダウンとして、心臓への負担を減らすためにゆっくりと身体を動かして、落ち着かせることも重要である。


 練習も大事だけど、練習の前に行うウォーミングアップ、ストレッチ、練習後のクールダウンストレッチ、マッサージもかなり大切だ。


 ケガするリスクも減らすことができる。ウォーミングアップ、ストレッチ、クールダウン、ストレッチ、マッサージ、全て含めて練習、トレーニングだ。


 本格的にやるならば、心拍数を数えて一定の数値を超えないようにトレーニングをすることもある。


 ただ、ひたすらにトレーニングをしては、体を壊す。健康があってのトレーニングなので、上手に調整することが大切だ。


 全て高宮コーチに教えてもらったことだ。高宮コーチは、流石、日本代表候補のコーチをしていただけあって、いろんなことを知っている。


 練習だけではなく、相手をリスペクトするスポーツ精神だったり、体のケアなど、バスケ以外のこともちゃんと上手に取り入れて、管理することができるようにならないと、強くならない。


 これが高宮コーチの考えだ。もっと細かく言うと、食事に対しても考えないといけないかもしれない。でも、そこまでは徹底していない。


 まだ、高校生だから、そこまで制限しちゃうと嫌になるだろうと、高宮コーチは何も言わなかった。


「初めてのインハイ予選決勝だからな。緊張するのは誰にもあることだけど、その緊張の中でも、どれだけ自分たちのバスケができるか、それも想像しておくことで、少し緊張は和らぐぞ」


 高宮コーチが声をかけてくれた。


 あまり何も言わない高宮コーチだけど、俺たちが悩んでいたり、緊張で空気がピリピリしていたりすると、アドバイスや気持ちを落ち着かせる言葉をかけてくれる。


 今も初めての経験で緊張していて、全員が重苦しくなっていた。そのため、高宮コーチは気を遣ってくれていた。


 あっ、言い忘れてた。高宮コーチが言っていたインハイはインターハイの略。高校生の中ではインハイっていうんだ。


 明日の準備も整えて、今日の活動は終了した。


 あとは明日を待つのみ。

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