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 一旦、りおねロボを、元通り『離れ』(=三徳にーさんの『第2作業場』)へ。とりあえず、私と三徳にーさんが、再び縁側に戻った時のこと。


 当宅の小さな門をくぐって、1人の中年男性が、ここ庭へと入って来た。


「先生っ…早置先生っ…」


 どうしてか慌てた様子。ポロシャツにスラックス姿の小太りさんが、小走りでもって、まもなく私たちの前に。それは、町会長の播磨さんである。


「これは、町会長さん。どうしたんです、そんなに慌てて…」

 

「あいや、先生。実はこれこれしかじかで…」


 息の乱れを整える傍ら、その町会長、播磨さんが説明を始めた。


「なんと、ボンド君が…?!」


 むむっ、これはひょっとして…


「そうなんですわ。で、なんでも目撃者の言うことには、その盆人くんを飲み込んだっていう怪物は、言わば、巨大なアサガオみたいな、植物の姿をしていたそうでしてね」


 うんうん、ひょっとしてもしなくても、ここはUMA研究者たる私の出番ではないでしょうか。


「んで、その知らせを受けるや警察から消防から出て、これから湖の中を捜索しようっていうんですが…」


 が、なにせ当コロコロ町は田舎ゆえ、人員も設備も貧弱。よって町会長さんは、ひとつ三徳にーさんにも捜索に協力してもらおうと、ここへやって来たのである。


 かつて、にーさんが開発製造した小型潜水艇『HS−100』が、ここにあることを、彼は知っていたからだ。


「なるほど、分かりました。しかし、あれは最近ほったらかしゆえ、少しメンテに時間を要するとは思いますが…それが済み次第、さっそく潜ってみましょう」


 よっしゃ、さすが三徳にーさん。もちろん私も一緒に行きまっせ。


「よろしくお願いしますわ。では私は、役場の対策本部の方へ戻りますので…なにかあれば、そこへ連絡をくだされ」


「了解です」 


 ということで、町会長さんが去っていくや否や、


「にーさん、私も一緒に行くっ。あの潜水艇、確か2人乗りだったでしょ」


 すかさず私は名乗りを上げた。


「ああ、そうだな。よし、一緒に行こう」


 かくして、三徳にーさんと私は、急ぎ同潜水艇がある当宅の車庫へと向かうのであった。

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