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まことに唐突ながら、私、早置三徳です。
いえね、本日ちょっと遅めに起きたら、りおねの姿がどこにもありませんでね。
ええ、それゆえワタシが、こうして出てきた訳なんですよ。
しっかし、りおねのヤツ、一体どこに行ったのかな…と思えば、我が家のキッチンルームのテーブル上に、1枚の書き置きが。
「ふむ、どれどれ…」
その便箋を手にワタシは、そこに書かれた文字を読み始めました。
『さんとくにーさんへ。アルバイトのめんせつにいってきます。ねんのため、そのおしごとについて、いんさつしておきました。おひるまでにはかえれるとおもいます。りおね』
あいや、少しは漢字使えや…っと、そういえばりおねのヤツ、子供の姿に戻ったら、少しパーになったって言ってたっけ。
まあ、それもやむを得ないか。大学院生並みの知性を持つ、12、3歳というのも何だしな。
とはいえ、漢字くらいは、もっと書ける気もするけど。
それはさておき、特に最近ワタシが、ブルマ…あいえ、服をプレゼントしてから『三徳にーさんの世話にばかりなっていられない』と、りおねがアルバイトを探し始めたのは確かなのですが…
でも、なにもそんな気を遣わんでもなぁ。そもそも1人増えたくらいじゃ、別に生活は変わりませんのでね。ウチとしては。
だいいち、どこでも雇ってもらえんでしょう。あの容姿でもってりおねが、いかに24歳だと主張しても。
ともあれ、書き置きの続きをば。
「えー、なになに…」
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