6
こんこんっ…
お、それは当室の戸をノックする音です。
『りおねー…入るぞー』
「あ、はいはい」
返答後、その戸を引き引き、三徳にーさんが中へ入ってきた。
「どうだ、片付けの方は。手伝おうか」
本日は、ワイシャツにジーンズ姿。三徳にーさんが、よっこらと私の横に胡座をかいた。
「大丈夫。もうぼちぼち終わるから」
「そかそか。で、どうだい…この部屋は。気に入ったかい」
ええ、気に入るとか以前の問題かも知れません。
「いやま、最初は驚いたけど…まあ、じきに慣れると思う」
「そっか。ま、ここはお前くらいにしか貸せない、私にとって大事な部屋であると同時に、いままでは客間に使っていたから、いつも綺麗にはしてあったからな」
「うん…っと、客間?」
…ということは、ひょっとして…
「そうさ。なんたってこの他の部屋は、キッチンルームとワタシの寝室を除いて、ほとんど作業用や発明品置き場と化しちゃってるしな」
「いや、それより客間ってことは、三徳にーさん。もしかして
おそるおそる私は、三徳にーさんに聞いてみた。
理由は言わずもがなである。
「うん。かつて3人ほど…な」
ああ、やっぱり!
「んなら、いくらロ〇コンだって相手に言ったことなくても、自然に申告しちゃってるようなもんじゃないのさっ」
三徳にーさんってば、一体どういう感覚してんのよっ。もうっ。
「あー…そういえば、ここへ呼んでしばらくしてから、彼女が去っていくことが多かった気がするかな」
あちゃ…なら、この部屋がその理由だわい。間違いなく。
ところで、三徳にーさん。どさくさ紛れに、私の両脚にニーハイ履かせるのやめて頂いていーですかね。
やっぱショートパンツにはよく似合うなー…じゃないっ、このっ。
ふーっ…やれやれ。
ほんと先行き不安です。
早く人間に…あいや、早く元の大人に戻りたいですぅー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます