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 こんこんっ…


 お、それは当室の戸をノックする音です。


『りおねー…入るぞー』


「あ、はいはい」 


 返答後、その戸を引き引き、三徳にーさんが中へ入ってきた。


「どうだ、片付けの方は。手伝おうか」

 

 本日は、ワイシャツにジーンズ姿。三徳にーさんが、よっこらと私の横に胡座をかいた。


「大丈夫。もうぼちぼち終わるから」


「そかそか。で、どうだい…この部屋は。気に入ったかい」


 ええ、気に入るとか以前の問題かも知れません。


「いやま、最初は驚いたけど…まあ、じきに慣れると思う」


「そっか。ま、ここはお前くらいにしか貸せない、私にとって大事な部屋であると同時に、いままでは客間に使っていたから、いつも綺麗にはしてあったからな」


「うん…っと、客間?」


 …ということは、ひょっとして… 


「そうさ。なんたってこの他の部屋は、キッチンルームとワタシの寝室を除いて、ほとんど作業用や発明品置き場と化しちゃってるしな」


「いや、それより客間ってことは、三徳にーさん。もしかして彼女・・なんかも、ここに招いたことがある、とか?」


 おそるおそる私は、三徳にーさんに聞いてみた。


 理由は言わずもがなである。


「うん。かつて3人ほど…な」


 ああ、やっぱり!


「んなら、いくらロ〇コンだって相手に言ったことなくても、自然に申告しちゃってるようなもんじゃないのさっ」


 三徳にーさんってば、一体どういう感覚してんのよっ。もうっ。


「あー…そういえば、ここへ呼んでしばらくしてから、彼女が去っていくことが多かった気がするかな」


 あちゃ…なら、この部屋がその理由だわい。間違いなく。


 ところで、三徳にーさん。どさくさ紛れに、私の両脚にニーハイ履かせるのやめて頂いていーですかね。


 やっぱショートパンツにはよく似合うなー…じゃないっ、このっ。 


 ふーっ…やれやれ。


 ほんと先行き不安です。


 早く人間に…あいや、早く元の大人に戻りたいですぅー。

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