ろりおね

Hiroe(七七七男姉)

変身

「な、なんじゃこりゃーッ…!?」


 その朝、目覚めると共に私は…


 …私は、なぜか子供になっていた!


 慌ててドレッサーの前に座って確認とれば、その鏡に映るは、年の頃12、3歳くらいの女の子。いまやダブダブのパジャマに包まれた姿のそれは、顔といい体型といい、その当時の私に違いなかった。


 そうね。『子供に戻った』という方が正解かもね。


 でも、なんでまた急に?


 昨晩、寝る前までは、確かに24歳の私だったはずなのに…


 あ、そういえば昨日、帰宅の途中に黒ずくめの男に妙な注射を打たれて…とかじゃないしー。う〜ん、まったく思い当たる節が無いわい。


「しっかし、もしこのまま元に戻れなかったら私、ずっとこんな子供の姿で生きていかなきゃいかんのかいな」


 ワンルームアパートの自室内。なおドレッサーの前にて私は、寝起きの髪を軽く整えながら自問。皮肉にも、自慢の長い黒髪は若返った分、いや増して艷やかに見える。


「だったら明日、学校に行っても追い出されちゃうかも…」


 ちなみに、当室にて一人暮らし。私こと小玉りおねは現在、名門『浦口大学』の院生にして『UMA学』を専門に研究しておる。 


 それすなわち、未確認動物(生物)について、その信憑性等を追求する。という学問でござい。


「う〜ん、そうだ。とりあえずここは、リョウに相談してみるのがいいかもね」


 そのリョウとは、ぼちぼち交際2年を迎える私の彼氏、長谷川涼のことである。


 きっと彼なら、たとえ私がどんな姿になろうと、深い愛をもって受け止めてくれるでしょうしね。


 という訳で、さっそく涼に連絡を取るべく私は、ダブダブのパジャマもパンツも脱ぎ捨て、中央のローテーブルの前に。そのガラス製の上から携帯を手にした。


 ところが…


 その後、涼がウチへ来てくれたまでは良かったものの、


「…別れよう」


 どっかーんっ!!


 な、な、なんじゃそりゃーっ…

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