.123『オルトロスの空』:Sestina

今日きょうもまた凶猛きょうもうな 兵戈へいかがなり てきいろ

驍猛ぎょうもうなる号令ごうれいは 陛下へいかがため 祖国そこくがため

よるひるうらみもなく ただころごう背負せお

ほとおる おどこころ ほこたかあか

かぜへと高歌こうかせよと轟々ごうごうせまつい歯牙しが

厚顔こうがん弾丸だんがんさえも くだだれもがわらった


おそれるな このてつ祖国そこくはからった

錚々そうそうたる行進曲こうしんきょく 嗚呼ああ ほしのようにうつろう

おもほこを おものこすことなくよごすその意志いし

戦友ともすくい 戦友ともすすむ ともしぶあしみへしたた

闘争とうそうこそ いのちを いろたかめると たたえよう

おそわれてもこわれても がれた夜明よあけでまたおう


今日きょうもまた獰猛どうもうな 炎火えんかさり てき気負きお

堂々どうどうたる号令ごうれいが いた太刀風たちかぜ そっとわらった 

よるひるうらみもない さあころころされつづけよう

ほどる おどこころ よど理由りゆうなどないだろう

かぜへと陶化とうかせよと 堂々どうどううそを かた

傲岸ごうがん弾丸だんがんさえも くだつい歯牙しが


おののくな その巨躯きょくとくてらったつい歯牙しが

錚々そうそうたる行進曲こうしんきょく さあ 今宵こよいころおう

おもたておもってその殺意さついかた

戦友ともすくえ 戦友ともすすめ ともしぶ死物しぶつねぎらった 

刀槍とうそうこそ を いのちを いろけ すると ひところ

このままいのちままに がれた夜明よあけへとただ


よしせき くし ちちが 耀かがよ

おもやりを おもりとともす その意志いし

夜道よみちる ほしへと おしえとなるだろう

どちらかがただ一頭いっとうゆうとなるまでころおう

もりごえは ずと だれかがわずらった

おしえてくれ このねつは いったいどこのだれのため


とぼけるな このねつは 敵味方てきみかたそしておのがため

錚々そうそうたる行進曲こうしんきょく さあほしのようにめぐけよう

おもあしで おもはしれ ばし ともかたらった

戦友ともすくえ 戦友ともすすめ ともしぶ 石碑いしぶみ つい歯牙しが

闘争とうそう 鼓譟こそう いのちも け 苦楽くらくごとらおう

おぼれながらこぼれながら がれた夜明よあけに またわたろう


ほしそらいろう ふる兵達へいたちかた

しき士気しきいきおう それさえ見下みくだかがよ

がたあかほしが しむようにわらった

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