聞いたことも見たこともないUFO

 北海道の田舎では天の川が見えるほど晴れた空が美しい。それでも小さな町の夜景の広がる場所ではそれはあまり見えなくなるが、郊外となるとそんな光景が広がる。

 釣りで郊外の場所で朝を待つ時眠れるまで外の星を見ていると何やら動く星があることに気付いた。なんだろうと考えるのが先か、その星を見ているのが先かは別として目でそれを追うとその動く星は大体一等星くらいの輝きを放って目に見えるスピードで自分と同じくらいの輝きの星に向かっていく。


 そう動く星は一等星と重なった時にわからなくなる。


 一等星と重なった時はわからなくなるも長くそれを見詰めるまでもなくまたその星はその重なった星から離れてゴソゴソと動き出す。その行き先はまた近くにある一等星だ。


 こんなことを繰り返して次に見える一等星がなくなるとどうするのかと思っていると2等星くらいの近くの星に向かってそれと重なった。

 2等星と重なってからその動く星はどうしたか忘れたが、多分私の視界から消えたのだろう。


 これを後々で調べてもそんな天体現象はわからなかった。誰か知っている人がいたら教えて欲しい。


 その時私は若く近眼だったが眼鏡をかけると視力の障害はなく酒も飲んでいなかった。

 精神は健全とは言えないまでもそんな幻覚は見たことがなかった。

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短編エッセイ集 小川初録 @rocketman99

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