第15話 本当のサプライズ (後編)
「あ……⁉︎もしかして、アレか⁉︎」
俺が思い出したのは、万様から見せられた映像。
高い山、湖の底、火山の近く、樹海、空に浮かぶ島が映し出され、全ての映像に種が植えられる映像だ。(1話参照)
(……確かその種が虹色だったな)
そう考えていると、箱を持ったリーフが俺の下にトコトコ歩いてくる。
「グーグ、グッ!」
箱を俺に向かって差し出してくるリーフから、とりあえず手で受け取ろうとすると、首を振るリーフ。
「グーググウウ!」
「コンパスガイドを開け出そうだぞ、タクト」
リーフの言葉を通訳してくれるエランに促されてコンパスガイドを開くと、青いウィンドウ画面が開きそこにスッと取り込まれた虹色の種。
コンパスガイド自体が虹色に光出したと思ったら、青い画面に俺のステータスが表示されている。
タクト・ハザキ 22 男性 人間(標準)
保有体力(HP) : 2,000/2,000
保有魔力(MP) : 500,000/500,000
保有スキル : エア・ポート
保有ギフト : 万物の樹(仮契約状態)
称号・加護 : 万物の樹の守り人・万物の樹の加護
保有従魔 : リーフ(リードミアキャット/希少種)
レイン(レインボーバード/希少種)
虹色の種 : ×1 ←new!
スイッチパスワード : 《ギア》声紋認証済み
マスターパスワード : 《メイン》声紋認証済み 』
「お!体力と魔力が上がってる!これ助かるな!ん?虹色の種がここに入っているな。タップで詳細わからんかな……?」
『《虹色の種》×1
€£&$%*〆々〒※%%%£&€$=………
【グロウアップ】で発現する』
(んー、やっぱりわからないままか……あ、でもこっちが上がっているって事は……!)
『スキルが一部開放されました。
ー現在使用可能スキルー
【エア】レベル8 発動は音声対応。
・クリエイトエア MP10 (空気作成 : どんな場所でもタクトのみ呼吸可能。但し、時間制限あり。現在一時間作成可能)
・エアパウチ MP10(真空空間作成: 範囲指定有り。効果時間: 無限。解除(デリート)可能)
・エアフロート MP100(空中を浮かぶ事が可能。最高時速10kmで上昇/下降/前進/後退可能。スキル効果は一時間)
・エアジップトレース MP200(圧縮空気追跡弾。圧縮空気は1−100段階まで設定可能。着弾後解除され標的に衝撃を与える。着弾前に解除する場合は【アンジップ】を唱えると可能。
・ギア・エアフォーム(ヒート/コールド) 10段階で熱気と冷気を標的に纏わせる。一回の効果は2時間 ←new!
【ポート】レベル8 発動は音声対応。スイッチワードで発現。
・ギア・メインポート MP0 (万物の樹の秘密基地へ戻る扉召喚。現在常時入室可能 : タクト/リーフ/キース/レナ/エラン/マリー/レイン 。滞在許可証発行/ MP1,000)
・(ギア・エアポート) 初回限定MP100,000(万物の樹エリアに空港設置。レベル10で設置可能。設置後に詳細開示)
・ギア・エアポートガレージ MP500 (ガレージ内の乗り物が使用可能。使用可能時間は2時間。現在使用可能:魔導乗用カート(3人乗り) ←new! 』
「お、スキルでクーラー発動できるんじゃん。移動が快適になるな。で、次が…………やった!移動の乗り物がきた!」
「グーグ?」
「タクト?何か増えたのか?」
「ああ!また確認が必要な案件が二つ増えた。虹色の種は一旦保留だな」
「そうか、ならばそろそろ食事にしないか?キースとレナのお腹が催促していてな」
「グーグウッ!」
「リーフもか。よっしゃ、今日は万様の前で焼肉だ!」
「「やったぁ!!」」
「グーグー♪」
喜びジャンプするキースとレナの側で、エランが肉を出し、マリーはリーフに頼んでエラン達の食器を持って来たい、と頼み込んでいる。
俺は既にバーベキュー台に入っていた炭に火をつけるのをエランにお願いし、それからピザ窯も余熱する為火をつけて貰う。
「よっし、まずはピザつくるぞー。レナ、ここにトマトソースををぬって」
「はーい」
大きなスプーンを持って、ピザ生地に「よいしょ、よいしょ」とピザソースを伸ばしていくレナを見ながら、俺はシーフードと思われるものを載せていく。
「タクト、チーズを細かく削れば良いんだろ?」
「ああ、頼む」
ようやく使える万能ナイフの登場に、嬉しそうに自分と同じくらいのチーズを削っていくキースの横で、エランには肉を切って貰う。
シーフードピザと肉ピザとベーコンピザの3種類を二つずつ作り、俺は肉と野菜をバーベキュー台で焼いていく。
良い匂いが辺りに充満し、準備も整い、よし食べようって思った時にタイミングよくきたエルダードワーフの爺さん。
「なんと良い匂いじゃ。ワシも混ぜて貰えんか?」
いないなぁ、と思っていたレインを肩に乗せてゆっくり歩いてくる爺さん。
「爺さん、万様との話は終わったのか?」
「お主はタクトだったの。ああ、一先ず知りたい事はわかったからの」
「そっか。じゃ、まあ肉はどんどん焼けるし、ピザも出来たみたいだし、まずは食べようぜ」
「ほっほ。遠慮せずにいただくわい」
「爺さんがくるなら、エラン!」
「エルダードワーフ様、どうぞ各種お酒を取り揃えております」
「おっほ!ありがたい。そうじゃ、ワシの事がガロと呼ぶがいい。しばらく世話になる事になったからの」
「はいよー、ガロ。宜しくなぁ」
「「ガロ様宜しくお願い致します」」
肉を焼きながら気楽に応える俺に、マリーとエランは丁寧に膝をついて挨拶をしている。
リーフはちゃっかり抱き抱えられているし、キースとレナに至っては「ガロじいちゃん!」「ガロ爺ちゃんって呼んで良いか?」とガロの肩の上でお願いをしていた。
(まあ、万様の知り合いだもんなぁ。みんなすぐ懐くわな)
なんとなくガロが現れた時からこうなるのを予想していた俺は、すんなりガロを受け入れていた。
「よっしゃ!じゃあ、ガロの歓迎も兼ねて始めるぞ!」
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