第4話 闇の誘惑
その時、ヴァンロードたちは屋上に迫ってきた。赤髪の
ミヤビと理人は古時計の
“短針と長針”(時間)を司るツインピークスタッフ(両手杖)を握りしめる理人は、敵の弾幕をかいくぐるようにして攻撃を試みるものの、未熟な技術では完全には対処できなかった。その
その瞬間、理人の内側に潜む
一方のミヤビは、戦場の状況を把握しながら“秒針”(空間)を司るシングルスタッフ(片手杖)を振るいながら、彼女の瞳は異色の輝きを放ち、周囲の空間が彼女の意思に応じて
ヴァンロードたちは再び弾幕を張り巡らせ、ミヤビと理人を包囲しようとしていたが、依然として理人の心は混沌とした闇に包まれていた。邪悪な存在の誘惑が彼の内側で繰り広げられ、理性と闘っていたが、その影響はますます強くなっていた。
ミヤビは彼の様子に気づき、心配そうに彼の名を呼んだ。
「理人、大丈夫?」
ミヤビが心配そうに尋ねると、彼は揺れる声で
「う、うん…ちょっとだけ、頭が…」
理人は苦しんだ表情で彼女を見つめたが、その瞳には明らかに混乱が滲んでいた。内なる声が彼を責め立ててきた。
『女にいいところ見せたくないのか?このままでは、母親の時のようにお前のせいで女ともども今度こそジ・エンドだ。弱いところを見せるくらいなら、俺様の力を借りてでも強がってもいいんだぞ、フハハハハ』
理人の表情がさらに歪み、苦悩が増していく。この邪悪な声に誘惑されるかのように、彼の心は闇に包まれていき、彼の意識は次第に支配されつつあった。
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※追記
↓
先に『幽愁のモラトリアム』を読まれると、理人の過去の記憶に触れることができ、物語がより一層深まりますのでお勧めします。今後も楽しんでいただけるよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願いします!
幽愁のモラトリアム
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