第8話

小冊子には、保証についてが大きくかかれていた。

「給与の保証。今現在、働いて得る給与と同額を国が保証する。

また、この制度に選抜されたものは、その活動をおこなっていない時間も会社に出社しなくていい。

活動がおこなわれない日数も込みの給与を保証する」

加藤が淡々と話し始める。

「ちなみに、週で換算するとどのくらいの時間活動する感じですか?」

思わず確認する。

「その時々で違うが、週3~4日、実働5~6時間といったところか」

佐々木の発言に仰天する。基本今の会社は実働10~12時間、週休二日とかいいながら、休みの日に出勤要請が来るのがほぼ当たり前になっている。

「付加される賃金について説明します」

加藤が謎の発言をしてきた。付加?

「これからあなたたちの部隊がおこなう活動は記録され、来年の戦隊ものはそれをモデルに作成されます。その戦隊ものの関連商品、映画などの収入のうちの数パーセントがあなたたちに支払われます」

?え??どういうこと??

?マークを飛ばしていると、佐々木がまたも戦隊ものの音楽をながし始めた。

10年前に大ヒットした戦隊ものだ。

「この戦隊ものは覚えているかね?」

平均視聴率が20%越えという、奇跡の戦隊ものだった。

「これのモデルとなったのが、私なのだよ。いまだに副収入として入ってくる」

きな臭い話なのに嬉しそうに話してくる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る