差し入れ
ある日のことです。
何やら強面なお客様がいらっしゃいました。
「差し入れ何冊か選んでくれ」
お客様はおっしゃいました。
差し入れ? ハテ、誰かの入院か…と私が首を傾げていると店長は当たり前のように「新しいの何冊か用意しますね」とおっしゃって本を取りに行かれました。
店長が持ってきたのは某暴力団関係の書籍ばかり。
いったいどういうことでしょう。
当たり前のようにお会計を済ませる店長と満足そうなお客様。
「兄貴がまた入ってもうてな」
お客様はそう笑っておられました。
あとから聞くとこういうことはたまにあるらしく、彼らのいう“差し入れ”は刑務所内へ送る書籍の差し入れを表しているそうです。
某組合の方々がチラホラとこのお店を利用しているらしく、珍しいことではないそうです。
何事も慣れというものですね。
ちなみにそのお方、噂に聞く指が1本なかったことをふと思い出しました。
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