こんなエンドは望んでない

 腕の中のあなたが、体温を失っていく。虚ろな目が私を捉えて、微笑んだ。

「ルーシー……! やめて、っ戻ってきて!」

 もう駄目なのと言うように、あなたは首を振る。口から血が溢れて、顎の方へ流れた。

「キティ、……」

 あなたは無理に動いて、私へ口付けた。血液の苦味が唇に残る。

 それが、最期だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る