第2話キャラシ作成
あのニャルと会ってから数日が経過したけど、一向に向こうから連絡らしきものが来ない。
「暇だなぁー、ニャルもニャルだよなアザトースの従者の癖して実際はサボってばっかだもんなぁ。」
そう独り言を呟きながら、あの日にもらった
あの時はとりあえずパッと閉まっただけで詳しくは中とか覗いてはいなかったし、改めて見てみるか。
俺はそう思いながらあの時のカバンからそれを取り出す。
その見た目はただのノートみたいな感じだった。
「あれ?以外に普通なノートみたいだな、どれどれ中身はどうなってんだろうかな?いきなりSAN値削れるようなやつ出してくるなヨォ。」と少しばかり警戒しながら表紙をめくる。
そこに書かれていたのはルールブックの最後くらいに載ってるキャラクターシートと一つのQRコードだった。
「なんだよ、冷や冷やさせやがって。」
少しばかり文句を言いつつも残りのページをめくろうとすると、何故かそこから先は開かない。
紙同士がくっついている訳でもないのに一向に開かない。
仕方なしにキャラクターシートを見ると、右上の方に注意書きのようなものがあった。
『キャラシは最初は一つしか作れないよ!一番最初のキャラシに血を垂らすことで君を元にした探索者が自動で作られるよ!職業、興味ポイントは振られないから自分で好きなように振ってね。』と記載があった。
血を垂らして自動作成ねえ、そこらへんはクトゥルフっぽいんだな、QRコードも読み取ってみるか。
QRコードを読み取ると、いつも使っているキャラシメーカーのサイトに飛び、何やら画面に奇妙な模様が現れると、いつもの製作ボタンの隣にリアル用と書かれたボタンが追加表示された。
そしてボタンを押すと『AF:キャラシメーカーと接続しました。』と表示出る。
「なんかわからんけど、AFと接続しましたって、このAF便利すぎんだろ。とりあえずはキャラシ作るか、血を垂らせば自動作成されるんだったよな。」
俺は適当にカッターナイフで左中指を切り血を流し、AFの上へと垂らす。そうすると、AFは突然発行したかと思うと、そのキャラシを見ると俺自身のキャラシが出来上がっていた。
キャラクターシート
プレイヤー名:中川悟 探索者名:中川悟
職業:大学生 年齢:20 出身:愛知県 性別:男性
HP15 MP15 SAN75 不定領域60
STR11 CON15 POW15 APP11
SIZ14 DEX10 EDU15 INT15
DB+1d4 幸運75 知識75 アイディア75
探索者の技能
《職業ポイント0/300興味ポイント0/150》
聞き耳、図書館、説得、英語、
オカルト、心理学、歴史、+好きな技能
持ち物:スマホ、AF:キャラシメーカー
職業技能だけが勝手に決まる感じで、ポイントは自分で割り振るっぽいな、EDU、INTともに15か、結構好きなように割り振れるな。
「それに好きな技能かあ、技能っても色々あるしなあ。」
説明しよう!
クトゥルフ神話trpgには、大きく分けて5つの技能が存在する。戦闘技能、探索技能、行動技能、交渉技能、知識技能の計5つ。
この中で優先順位を決めるとしたら、左から探索→交渉→知識→戦闘→行動技能の順に優先度が下がる。
探索技能はどのシナリオであれ、目星、聞き耳、図書館の何かしらは使う可能性が高く、COC界隈での三種の神器と呼ばれている。その他にも応急手当や精神分析など役立つものが多く存在する。
交渉技能は文字通り他者とのコミュニケーションで力を発揮する、基本的に言いくるめ、説得、信用の内どれか一つは入れておきたい。
知識技能は専門学的な分野の技能であり、医学や心理学、オカルトと様々な専門の知識が揃い、特に心理学は端的に言えば相手が嘘をついているかいないかの判断をする際に重宝する。
戦闘技能は回避や殴る、蹴る、拳銃に武道(マーシャルアーツ)と戦闘する場合は大いに役立つ。組み合わせロールにより銃火器の威力を超える火力を叩き出すことも可能。
行動技能は機械系などの操作や修理、水泳や乗馬などの技能があり、基本的に使われる機会がない可哀想な技能たちであるが、あれば便利程度に考えていい。
「とりあえずは三種の神器は70欲しいなぁ、それにせっかく心理学持ってることなってるからせめて40は欲しいし、好きな技能は...」と色々考えて30分ほど経過した。
そして厳選に厳選を重ねた結果たどり着いた技能たちが、
回避(65)、マーシャルアーツ(30)、拳銃(75)、
聞き耳(70)、図書館(70)、目星(60)、
説得(65)、英語(55)、
オカルト(40)、心理学(42)、歴史(40)
と言う感じになった。意外にも上手くまとまって個人的には満足である。
キャラシ作りを終え、布団に入りゴロゴロしようとしていると友達から連絡が入る。
『船で沖縄旅行いかね?』
そして俺は今確信した。キャラシ作成終了、この瞬間から俺は非日常へと巻き込まれるのだと、そしてそれが合図となるのだと。
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