拾壱:寄り道
僕が学園に向かう途中、一つ寄る所があった。度々話題に出る、
彼は研究で忙しい中、僕に会ってくれるのだと言う。明日には
人工知能に
竹林の中にポツンと立っている一軒家。ここが角井博士の生家である。ログハウスを竹に置き換えた、と言えるお家で、周りには竹、竹、竹。いい感じに見つけづらい、というのがここの特徴だ。
「角井ちゃーん?いるー?」
声をかけたが帰ってこない。だが謎の音が上から。視線を送ると、
「うぇえ?」
初登場が空からの降臨。白衣を着た大柄な男が何か黒色の物を持って、降りてきているではありませんか。
「おひさ、でも何だよ、そんな幽霊を見たような目してさ。」
「おめーのせいだよ!」
博士は地に足を着けた。すかさず僕に説明をした。
「お前さん、物理学はおろか理科全般苦手だったろ?」
「だまれ」
「じゃあ説明できねーな。」
なっ!そっちがその気なら、
「後生だダンナ、俺に仕組みを教えておくれよ〜」
「これはいわゆる反重力装置の一片だ。」
「ハ、ハンジュウリョク?」
「試しに持ってみろ。」
手に渡されたのは黒い球体。握った瞬間、手の形に合った握りやすい棒状に変身した。
「トベッ、飛べ〜!」
「何を言うかね――」
その瞬間、僕の体は中に舞った。
「えええええええええええええええっっっっ!!」
博士は自信溢れたにんまり顔。
「重力に反発さして体を飛ばし、高度に応じて二つの力がつり合うようにする。どうだ、簡単な話だろう。」
自慢げに説明するも、
「わかんねーしとっとと降ろせ!!」
「あらそう?」
ズドン!
ぼふぇ。僕はうつ伏せのまま、竹の葉が落ちた地面に衝突。
「思考制御だから思えばすぐに操作出来る。こいつを上手く改良したのを手持ちの清に送るから、その報告。」
「恐ろしいなこの機械。」
その後、茶を一杯交わして角井宅を後にした。
『東果さん、保安官に転職したって聞いたよ。どうなの?上司として。』
『位が低いから細かい任務しか与えられないけど、腕はまあまあ。』
『ふーん』
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