分冊12

分冊12【幕章】

 

 忘れられた寺院跡公園の大樹の根元に幸せそうに微笑む髑髏が一つ転がっていた……


その大樹を見つめる男女の姿がある、男の称号はルキマスター名を仙身志摩長(セミ・シマナガ)王様・妃の次に続く権力者である、アルビノで冷酷に仕事をこなす事から白蛇のあだ名が付いてる知勇武を備わった将軍である、また、仙身一族の中で唯一、手に刃物状態の霊刀(盾にも変形させることができる、飛ばす事も可能)を宿すことができる。更にこの霊刀は回転状態で空中に10本程ストックできるため、敵に飛ばして攻撃出来ることはもちろんの事、矢や銃弾など弾く事もでき、足場にもなるため応用して空を飛ぶ様な使い方もできる、彼が上空から放つ、

究極奥義「霊刀斬舞」は空から無数の霊刃が氷雨の様に降り注ぎ、中隊を全滅させる程の力が有り。このことから彼は1人で兵100人に匹敵する使い手てと恐れられている。

その志摩長の横に立つ少女は亡国女王の娘である。

少女の眼に涙が溜まってる。

「なんだ、泣いてるのか?」そ

「はい、この青年は何か今までの男とは違う感情が湧きまして、最後まで私を裏切らなかった。あの人の生まれ変わりの様な気がして……嘘を沢山ついちゃったわ彼に……生かしてあげたかったわ」

「源氏の大将と相打ちになった親衛隊の若者か……何故か源氏の血筋に討たれた物は復活させられん謎の事よ」

「……」

「感情に浸るな、この大樹の下、あの憎き陰陽師に封印されて眠るお前の姉である女王を復活させるには生きのいい、異世界の男の生命エネルギーが必要なのだ、もうすぐだ、女王と王国の復活は近い、帝国との戦争はまた始まる、これからだ勝負は」

「はい……後あの神社……」

「ああ、憎き陰陽師めの安倍乃太郎が我らを監視するために残した神社な、女王様が復活したら神社の結界を破るのは簡単な事、時間の問題よ。

女王様を封印した事を仲間にも漏らさなかった安倍乃太郎だが不死にならなかった事は最初で最後の失敗よ、俺も不死になったから時間はかかったが研究してこの大樹の結界も弱める事ができたのよ、ふふふ」


「……」


志摩長は髑髏を手に取って少女に手渡した。

「彼も我らの作った良い夢をまだ見てるよ、ひと段落したら不死として蘇させれば良いではないか前に作った霊薬がまだ残っておるでな」

「不死になるとズーと生きれるの?」少女は志摩長に聞いた

「いや無敵では無い、少し長くなるが大事な事なので説明しておく

復活には霊薬と骨を人工的に作った無菌状態の壺に満たした羊水に浸す、これらを用意し、満月の日、ある場所で古代の呪文を唱える、しばらくすると空から大きい円盤状うの乗り物が現れる、地上には降りては来ない、円盤の真下に用意した壺を置く、すぐに壺は空に上昇し円盤に吸い込まれて行く、しばらくすると、円盤から壺が降りてくる、壺は銀の壺に変えられている、この銀壺を日が当たらない場所で保管する、まぁ俺の研究室だな、二日くらいすると銀壺の中で身体が再生してくる、銀壺は復活が完了したら真ん中から2つに割れて壊れる、いつの間にか壺の破片は消えている、後は復活した者に壺に貼り付けてある薬を振りかけて、目を覚ましたら作業は終わりじゃ、おかえりなさいと言うことだ。

これは余談だが一回壺に掴まって円盤の中に潜り込もうとしたら 冒険野郎の俺だけ途中で弾き落とされてしまった、来るなと言う事じゃな……時か来たら隠してある研究所を見せてやろう、王族のお前にはその権利がある。

では次に復活した後の注意点だ、身体が全焼したり粉々になったりし骨が一つも残らなければ復活は無理だ。

また骨も余り長い期間何年もバクテリアなどに汚染される様な所に放置された物も無理だ。

後は首と胴体が離れたら場合しばらくは生きてるが自己再生は無理だ、あくまで人よりは丈夫と言うことで認識しておいた方が宜しい身体も薬で維持したなければならない、薬を飲まなければ普通の人間と同じ歳を取る、もう生きたくないと思ったら薬を飲むの辞めれば歳を取って死ねる、表面上は人間に戻れる、ある意味で逃げ道も作られた、よく考えられた不死システムだとは思う。

今、我々が抱えてる問題は復活させる薬も若さを維持させる薬も過去に作った分しかないと言う事じゃ、困った事よ。病気には強いが完全では無い、外傷も血が多く流れると気を失ったりする、特別に調合した毒などにも注意が必要だ。

復活した時の記憶もしっかりしてる者をいれば、曖昧だったり、スッカリ忘れていたり、その場合は記憶をある程度調整する処置が必要だ。

まだ未知のところは多い、何故か復活できない物を稀にいる、またこれも稀にだが神がかった特殊能力を身に付けて復活する者もいる……復活の方法も、遥か昔の宮廷学者の残した人造人間伝書の切れ端を元にしている、完全では無いのだ、ついでに話しておこう、伝書にはこうも書いてある、この復活方法は

『我らの次元のみ』で有効と書いてある、俺はこれで噂だけの異世界の存在を確信した」


「……おじいちゃんは不死として復活できる?」


「徳治か、時命で死んだ者は、天帝のとこに魂は逝ってしまっている、我らには手が出せぬ場所よ諦めよ、仮に復活させたとしてもあの男はわしと考えが違う、不死化政策に反対してた所がある邪魔なだけよ、おまけに食い意地が張り過ぎてる、宴会の席で俺が最後まで楽しみに取っといた海老の塩焼き2本、俺が用達しに行ってる間に2本とも食いおった、普通一本は残して置くもんだろ狂っとる、

「海老お主勝手に食べたろ」と徳治に問いただしたら、あ奴は

「知らん」と口にまだ海老が入ってるのに平然とウソを言いおった、俺が刀に手を掛けたら、奴も刀を手にかけてワザと聞こえるように音をたてて海老を噛み飲み込みおった、見かねた王様が『これこれ食物で喧嘩するでない、志摩長、ほれ、ワシのをやろう』

と焼き海老を一本くれたが、その後がおかしい、王様は

『お義父殿は海老が好物でな、もう一本イットケ』

とあ奴にも、焼き海老をあげたんじゃ、筋が違うじゃろ、海老2本食われたのは俺じゃ、何故、奴にまた一本やる?王様は身内に甘すぎる、海老の事よりメンツの問題じゃ、今だに思い出しても腹立つはスカン、その後その話を聞いた女王様が徳治と王様を叱りつけてくれた、あれから俺は女王様に完全なる忠誠を誓ったのじゃ

(王様にとってはとばっちりである)、なにがなんで女王様と王国は甦らしてみせる!」

(歴史はこういう小さい事から変わっていくと時空を旅する暇人詩人は語っている……)


「……」

少女は志摩長に背を向け、髑髏に頬擦りしながら心の中で話しかけた、『少し待っててね、また楽しく遊びましょ』と。


この数年後、女王と妖国は復活し帝国と一年程戦争状態になり、結局はお互い消耗するだけに終わるが、詳細を話しておきますね。

 

まず女王の島の場所ですが、私達の次元の地理で説明すると

※兵庫県(ひょうごけん)の南側(みなみがわ)、本州(ほんしゅう)と四国の間、大阪湾(おおさかわん)と播磨灘(はりまなだ)の間にある、淡路島であります。

淡路島が異次元では物語の女王の静香島、島国(妖国)であります。


 帝国は不死の兵に苦戦し、更に九州王、四国王、中国王が志摩長の謀略によって裏切り、そのまた更に関東八州の王、将門を志摩長は復活させるのに成功し味方に引き入れた、帝国は将門の祟りを恐れ将門の髑髏を丁寧に保存しておいていたのが裏目に出たのである、志摩長に奪われたのである。復活した将門のカリスマ性は恐ろしく高く、妖力による物だと思われるが帝国に不満があった有力貴族を引き入れ関東北部を争いなく工作だけで短期間で制覇した、また関東にあった航空基地も奪われ頼みの綱の戦闘機もほぼ失ってしまった。この事により、帝都は西と東から挟み撃ちにされる可能性が出てきた、その後半月後には西の防衛の要の要塞化されたネオ大阪城は窮地に陥ってた、後ろの備えの必要が無くなった為に不死の兵と仙身一族の将達、全兵力が大阪城近く伏見に集結、数万に膨れ上がった不死の軍が大阪城に襲い掛かった! 特に兵を率いる将達の特殊能力はスザマジく、わずか半日でネオ大阪城は陥落させ、国主であり城主のトヨトミ一族は滅亡。これにより帝国の指導者・安倍元帥はまだ実験段階ではあるが核兵器の使用も考えるまで追い込まれた。しかし外交的理由、環境面も考えて核の使用は断念、大ピンチである、帝国は同盟国であるアメリカ合衆国に停戦和平交渉の仲介を依頼、合衆国は仲介役を承諾、その結果、女王も現代の軍隊が思ったより手強い事を思い知った事と昔には存在しなかった核を恐れた。女王も戦争する時代ではないと察知し戦況が有利な内に良い条件で和平交渉に承諾。女王の国は表面上は帝国の属国であるが内容的には永久的に帝国が保護する独立国として認められ、

国名を淡路国あわじこくとした。【完】本編分冊版終了。


【チュパカブラハンターの章】へ続く。

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