第7話 研究者じゃない声だ

「い、行け!私の輝かしい功績、スーパーキメラ!」


オリジナルのキメラより数段でかいやつが襲って来た。でも大きさ以外変わってなさそう…


「では刺激の欲しいサキさん。あとはよろしく。」


「りょーかいです。新しい攻撃を考えてたのでここで試しますよ。」


サキの手に魔力が集まる。


「弾けろ、『爆拳』‼︎」


殴った瞬間爆発したように頭が弾けた。


「何それ。どういう仕組み?」


「手に魔力の膜を張って殴った衝撃で破れるって感じです。」


「じゃ、残りもそれでよろしく。」


部屋から次々と魔物が出てくる。がサキにあっけなく殺されている。人間ベースが出来ないだけで割と実験自体は成功しているようだった。オリジナルより明らかに身体や魔力大きさ、知性の高さが段違いだった。


「全然出てこなくなっちゃいましたね。」


「流石に数に限りはあるしな。職員も突っ込んでくるわけにもいかないだろうし。」


通りかかった部屋から小さな声が聞こえた。


「何か聞こえました?」


「聞こえたな。研究者じゃない声だが。実験に使われた人か?」


「中入ってみますか?」


中を見てみると体の一部が溶けてしまっている人が数人いた。


「これは…。」


「何ですかこれ…。」


「お、おねが…いしま…す。殺して…ください。」


「何があったんだ⁉︎」


「僕たちは、ここに連れてこられて体にいろんなものを入れられたんです。」


「失敗した僕たちは混ざった能力を制御できずこのまま放置されているんです。」


「痛くて痛くてもう嫌なの。そこにいる人、早く殺して…」


子供たちは一斉に殺してくれと言い始めた。


「…行くぞ。」


「え、置いていくんですか?」


「ああそうだ。あれはそのうち死ぬ。先にここにいる魔獣を潰す。外に出られたらやばいからな!」


(6年ぶりの通信だけど聞いてくれよ。)


ガゼルとサキは泣き声や叫び声を無視して先に進んだ。

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