これは、哀しみの中でも研究を続けてきた主人公・陽日（はるひ）が、求める未来のためにタイムリープをするお話です。
自分自身の意識だけを時空へ移動させるこのタイムリープは、まだ試作品ができた段階で、おそらくは片道切符。二度と目覚められないかもしれない危険を冒してまで果たしたい陽日の、最終的な目的、思い描く未来とは？
タイムリープ時に起きてしまう予期せぬトラブルが……可愛いです♡ それによって陽日は、過去で重要人物と奇妙な再会を遂げます。そして目的達成のために彼とタッグを組むのです。
物語の始まりは哀しく暗いものですが、タイムリープ後はつい頬を緩めてしまう可愛らしさがあります。トラブルに対し、どう対処しようかと必死に考えて言葉を紡ぐ陽日や、じれじれな恋愛模様が楽しいです。
現時点で２２話。まだ物語は序盤でしょう。陽日の頑張りは、これからが本番のはず。
これからどうなっていくのか、どんな結末に辿り着くのか、先が楽しみなお話です。
乗っ取られた父親の施設の立て直しを図るため、転送装置の開発を進める主人公の陽日（はるひ）が片道切符のタイムリープに挑む物語。最も問題視された時間軸との整合性という課題が立ちはだかり、仮に成功しても過去で誰かと接触すれば、タイムパラドックスが起きてしまう。
しかし、本作ではこれを回避する手段が実に見事に講じられており、過去の人物との接触を踏まえた構成に作者の手腕が光る。
今在る精神を転移させて狙いを定めた過去の肉体で受け止める離れ業。病魔に冒されている陽日に残された時間はない。なんとしても成功させてみせる。
行く末の未来を憂いて過去の一点に降り立った陽日の精神は無事に未来を救うことができるのか？
主人公は、色々と苛まれています。
お母さんも、お父さんも、そして自分も…… 本当に、どうしようもなく切なくて耐えられないほどに。
それでも、お父さんや仲間と一緒に開発してきた技術、それを使えば過去に戻れる。
それで、何かを変えられるんじゃないか？
まだ未完成で片道切符。
でも、試す価値はあるし、もう時間が無い。
意を決して、自らを賭して、過去の世界へ。
無事成功、かと思いきや……！？
細かい技術考証でリアリティがあって、すっと惹きこまれます。
過酷な設定なのに、物語全体は明るくて、読んでいてぱっとします。
主人公が前向きなせい、かなと思います。
これからどうなっていくのか、見届けてみてはいかがでしょうか？