第16話 エリス・フィストルの身体強化魔法!

「早速教えていくか!」


「じゃあ、今日は皆に魔力の塊の動かし方から教えるぞ!」


「皆は日常から魔力の塊が身体に染み付いているから、普段から魔力の塊を感じることはないと思う。だから今から魔力を使い切ってくれ」



、、わお、突然だぁ。



「「はい!」」


「魔法はなんでもいいぞ」


「「「はい!」」」


、、とりあえず全力で治癒魔法使うか。


身体全体、いや、細胞の一つ一つ、全分子が暖かく包まれる感覚。



そしてプラムの体表から1メートルが七色の陽炎に包まれる。


これはプラムの身体では余ってしまう治癒魔法が体表から滲み出た結果である。


この陽炎はあらゆる生物を治癒するが、プラムはまだそれに気付いていない。



、、あ、、、もう治癒魔法使えなくなったな。


、、作れない、、、魔力無くなったみたいね。


、、音が突然消えた、、、?魔力切れか。


、、光が出なくなったな。よし魔力切れだ!



「「「「次にどうしますか?」」」」


「よし、そのまま待て!」


「「「「はい?なんでですか?」」」」


見事なハモり。身体強化魔法を受ける者は類友だったようだ。


「魔力の回復を待ち、自分の魔力の塊がどこにあるのか感じる為だな!」





、、、しばらく後。





、、なんかへその下に火が灯ったみたいだ、、、


、、胸に闇が広がっていくわ、、


、、全身が後光に包まれているようだ!


、、お腹にエネルギーが溜まっていく、、、



「なんか暖かくなってきたらそれが魔力の塊だ!」


「「「「おおー」」」」


「じゃあそれを上下に動かせ!」


「「「「無理です!常識的に!」」」」


「やれ!」





、、、数時間後、、、





「これでどうですか!」


「、、、プラム君、いいんじゃないか?、、、」



、、身体強化魔法って、こんなに魔力の塊が跳ねるものだっけか、、、



今、エリス先生に眼えているのは、プラムの魔力の塊が体内でゴムボールのように暴れている様子である。



、、なんか上下に揺らしてたら振れ幅が大きくなって制御不能に、、、まあいいか。



いや良くないだろ。



「それじゃあ、プラム君、この壁軽く殴れる?」


「はい」




、、、トス。


ズガガガガガガ、、、


崩れゆく壁。(2回目)





、、、


「「「プラム君、、、」」」


「「「軽くって言ったよね、、、」」」



、、軽く、、、やったつもりなんですけどね、、、?




これは、プラムの体内の魔力の塊が外界に向かって運動し、体内から出ることなく跳ね返った為である。


魔力の塊が体表に衝突した時、プラムの体表に魔力の塊の運動量の二倍の反作用が加わる。


この反作用の力が、プラムの体表から壁に伝わり、壁を破壊するに至ったのだ。


詳しくは気体分子運動論とその周辺の物理学がお勧めである。




現在、プラムの体内では魔力の塊が高速で跳び回っている。


つまり、触るな危険である。




、、落ち着け、、、落ち着け、、、よし。




なんとか落ち着いた様である。



「壁、直そうか?プラム君。」


「、、、そうですね。」





、、、しばらく。



「「「動かせました!」」」



、、やっぱり、この、魔力の塊が上下にゆらゆらしてるのが正常だよな。



エリス・フィストルはつくづく思ったのであった。

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