第一章②
その通り。
俺の
では誰が困ることになったのか。
言うまでもない。
俺だ。
俺だけが
そう、やっと俺は気づいた。
十二月十八日の昼休み。
形を
わあ、という
通学
「うん、もう
「あ、どかないと」
国木田が
「どうしたの?」
俺を見ながら不思議そうな口調で
「
そしてタッパを片づけようとしている国木田に、
「あ、鞄を
言葉の通り、その女子生徒は鞄を机横のフックに掛けると、友人たちが待ちわびる輪の中へ
「待て」
俺の声はさぞヒビ割れていたことだろう。
「どうしてお前がここにいる」
そいつは、ふっと
「どういうこと? わたしがいたらおかしいかしら。それとも、わたしの風邪がもっと長引けばよかったのに、っていう意味? それ、どういうことなの?」
「そうじゃない。風邪なんかどうでもいい。それではなくて……」
「キョン」
心配げに国木田が俺の
「本当に変だよ。さっきからキョンの言ってることはおかしいよ、やっぱり」
「国木田、お前はこいつを見て何とも思わないのか?」
「こいつが
「……キョンさあ、ちょっと休んでただけでクラスメイトの顔を忘れちゃったりしたら失礼だよ。いるはずのない、ってどういうこと? ずっと同じクラスにいたじゃん」
忘れやしないさ。かつての殺人
「解ったわ」
そいつはとびっきりの
「お弁当食べながらうたた
様々な映像がフラッシュバックする。夕焼けに染まった教室──
長門との戦いに敗れて
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