『プラナリア』(文春文庫)山本 文緒【★★】

 今の年齢だから解る。

 ずばしっと共感。

 私には、今より下の年齢じゃ全く解らなかっただろうと思う。

 私は、小説というのは、良くも悪くも最後は登場人物が何かを納得して完結するものだと思っていた。

 でも、この短編小説は、解決どころかもやもやとした状態のまま終わる。

 この年齢の女性であれば誰もが感じるであろう心情をありのままに描いた作品なのに、どうしてこうもしっくりくるのか。

 これが共感するということなのか。

 確かに女性の心情を描いたもので、男性が読んでも共感出来ないだろうけど、繊細な心情の表現力が巧み。

 直木賞というのも納得。

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