紳人と神使、似た者同士?②
「神様たちの使い…そうか、以前トコノメが言っていた24時間営業ではないって」
「はいです!クネツたち、神使が代行しているです!というより、守護神様たちも基本は代行させています。何かと忙しいですから」
まさか本当に24時間営業ではなかったとは…あとトコノメがノリで合わせてくれた発言でもなかったなんて。
……しかし、神様たちが忙しい…ねぇ?
「んむ?」
「私はちゃんと働いていますよ」
こてんと小首を傾げるコンと、確実に俺の訝しげな視線を読み取り微笑みを浮かべるウカミ。
四六時中側に居てくれるのは嬉しいし、彼女たちも彼女たちなりに働いているのは確かなので何も言わないでおこう。
「いつもお疲れ様、クネツたちのおかげで皆人間らしく日々を生きられてるんだ」
「……普段声を交わさない相手からお礼を言ってもらえると、頑張っててよかったって思えるです」
パタパタと黒い尻尾を踊らせ両手を頰に当てるクネツ。
どうやらあまり人間とは会話したことがないらしい。
折角だし、沢山皆を勝手に代表して感謝を伝えていこう。
「紳人よ。未来の妻たるわしの前で堂々とナンパとは感心せんな」
「はい!?俺はナンパなんて出来ないし、したこともないよ!?」
「えっ!」
「えっ?」
バッと顔を上げ、クネツが目を丸くした。
まじまじと見つめられ思わず?と反応を返すと、はぁ…とコンもウカミも深いため息をついてクネツの肩を左右からポンと叩く。
「此奴はな…こういうやつなのじゃ」
「本当、驚きますよね」
「逆に怖いです…!」
おかしい…何故、ありのままを伝えただけなのにこんなことになっているのか。
妙に温かさすら感じる眼差しを向けられているので、かえってもどかしかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます