第6話 猫戦争前夜

 にゃんじろうは、アライグマたちが女子供を襲っているんだと思うと、恐ろしくなってきた。


「うちのさくらちゃん達も襲われるのではにゃいのか……」


 そして、その恐れていたことが現実となった。

 それは、隣の店:魚屋のニャン太が、鋭い爪で殺されたのだ。

 しかも、身体はえぐられて欠損している。


「ニャン太ぁ……」


 犯人はわからず、犬のお巡りさんも困っている。

 しかし、にゃじろうは、これはアライグマの連中に違いないと思った。

 こんな、鋭い爪の攻撃はトラやライオン以外には、アライグマしか考えられない。

 そして、今、この街にはトラもライオンもいないのだ。


「にゃんじろう、これアイツラじゃにゃいのか」

「にゃあぁ、にゃんざぶろう。捕まえてはかせよう。アライグマがやったと」

「どうやって、捕まえるのにゃん」


「実は……」

「そ、そんな、簡単に……」

「大丈夫にゃあ」


 数日後


 すき焼き屋“荒井”の店員のスターリングが歩いていた。

 すると!

 スターリングの行く前には、ドッグフードが……



 実は、アライグマの好物のひとつに、ドッグフードがあるのだ。

 いい具合にお肉が配合されていて、美味なのだライ。

 そして、スターリングは木陰に入った。


 そこには、好物のドッグフードが筒の中に山盛りにしてあった。

「ド、ドッグフードだライ」


 スターリングは、一目散にドッグフードを口にした。

 これが、猫たちの罠だとも知らずに……


 さらに、続く

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