第13話 洞窟への道程(2)
私はライジェルにお願いし、防御魔法を使ってもらう。
川の一部を
次に私は電撃の魔法を使用して川へと放る。すると感電した魚が浮いてきた。
川の中に入って
後は
これで食料の確保は終わった。
どの程度の日数を使った洞窟での探索になるかは分からない。
けれど、これで2、3日くらいなら、
ライジェルも食糧の重要性は理解しているのか、文句一つ言わずに手伝ってくれる。
ここまでは「順調だ」と言ってもいいだろう。
本来なら
やはり、ライジェルの浄化魔法と
だが現状、私たちはお金に困っていない。
なので、今は安全に進めることの方が
目的の洞窟へ
私が採取している間「帰りも休憩できるように」と、ライジェルは簡易の結界を
ライジェルは「不当に解雇された」と言っていたけれど――
(彼ほどの人材を解雇するなんて……)
ブラック企業(?)の上司とやらは、いったい
私にとっては幸運なことだが、通常はあり得ない。
ここ
私としては逆に、その上司に会ってみたくなった。
まあ、ライジェルに言ったら「
無事に食糧の確保も出来たので、その後は
先程の川でライジェルは地図を確認していた。
どうやら、安全な場所は頭に入っているようで――記憶力の他に――情報収集の能力にも長けているらしい。
「こっちだ」
と言って、ドンドン進む。
ただ、私の足に合わせているので、途中で立ち
その度に私は申し訳ない気持ちになってしまう。
顔に出ていたのだろうか? そんな私を
「花が咲いているな」
とライジェル。青色で分かり
正直、
しかし、よく見ると――色は違ったけれど――私の知っている植物に似ている。
子供の頃などは、よく
花の根元に、
私はライジェルに手を引かれ、花に近づく。
彼は浄化魔法を使ったのか、一瞬で瘴気が晴れる。
宿っていた魔力も
花の色が
(間違いないわ!)
私の知っている花だ。
(甘い! 大丈夫そうだ)
毒の心配もない。私はライジェルにも、花を
けれどライジェルは、私の差し出した花を
それだけで、私は元気になるのだから不思議だ。
ワケがあって一人旅を続けていたけれど――誰かと気持ちを共有できる――こういう時間は心地良い。
「確かに、子供の頃にやったな……」
まあ、こんな機会でもなければ、いい大人が花の
「ありがとう、シャウラ」
ライジェルが私に掛けてくれた、その言葉だけで活力が
いつの間にか、私は悩むのを
そんな花の群生地――そこから少し歩いた場所に目的の洞窟はある。
本来は冒険者であっても、
その原因の主な理由は
耐性のない生物では、長時間の活動は困難だろう。
ライジェルが
当然、大陸の内側へ行けば行くほど、強い
地図でこの辺りを調べたのなら、まだ海の近くだという事が分かる。
それほど、出現する
だが、出会わないに越したことはないのも事実だ。
1体1体は弱い
とはいえ、ここまで来たライジェルの実力と私の魔法を
しかし、それは逆に言ってしまえば、
少なくとも、洞窟は――各国が管理する――港町からは比較的、近い場所にあった。
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