第17話 毎月二十日の夜に来る男
どうしようもない男が出てくる小説を読んでたら、毎月二十日の夜になると金をせびりに来る男を思い出した。金と引き換えにしてくれるのは上手くもないセックス。気持ちの籠っていない丁寧さであたしの求めに応じて弄り続ける。
事後、だらしのない姿を曝け出したままお札を投げ渡す。次の二十日を期待しているあたしを見て、男の下半身が不気味なほどに隆起する。今度は債権者のように振舞い、襲い掛かってくる。
満足したのか、ズボンを穿いてそそくさとマンションを出ていく男。あたしはその背中を見ながら二十一日の朝を迎え出勤の準備をする。早めに退勤をして夕方の産婦人科へと行き、薬局で薬を貰って帰宅する。そしてまた、次の二十日の為に薬を飲み続け、働く。せびっているのはどちらであろうか。
(没作より)
※虚実入り混じった話を書き、鼻で笑って捨てる。(2024.2.20)
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