第42話 詩音の眠り
そして、詩音が眠ってから2年がたった。
私はそんな中、魔族との人間の共存を夢見て、国の形を作っていった。
だけど、それも中々上手くはいかない。だって、別種族の争ってた種族同士のものなのだから。人間に恨みを持つ魔族も、魔族に恨みのある人間も多いのだ。
ただ、なんとか、区別してやっていった。無理に共存したくない人達は人間だけ、魔族だけの区域に住まわしたりだ。
その結果、目に見えて民たちの怒りが増えていった。詩音教徒、そのようなものができた。
魔王の統治を夢見る魔族の宗教だ。
人間の王は許せないとしているらしい。
よく考えたら、
「陛下! 民の怒りを食い止められません」
そう、側近の一人が言った。
魔王がその力で、人間を弾圧したからこそできた統治、なのに早速それが壊れようとしている。
やっぱり私には無理だったのか。
「国王を倒せええ」
ふと、城下をを見渡すと、そのような声が聞こえる。
ベッドに横たわる詩音をふと見る。
ああ、魔王。こいつにはムカつくことばっかりだ。いつもよく分からないことを言ってくるし、変なことばかりするイカれた人だ。
だけど、こいつが作った国を、私が滅ぼすわけにはいかない。
「みんな、鎮圧するんだ!!」
そう、軍に指示を出す。
魔王が戻ってくるまでこの国を維持し続けるために。
結果、国を切り崩しながら、小規模な人間の国として成立した。
これにより、なんとか国は維持できた。
もはや国としては成り立っているのかすら分からない国だ。
本当何をやってるんだろうか。やりたくもない国王をやって。
私は魔王のことが嫌いなのに。
本当に私が分からない。
そして、数年間国を守り続け、魔王が目覚めた。
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