二百五十羽 ☆ リュリュエル、暴走!

「ぶふっ! 男だと!?

女ではなかったのか!?

そうだったのか!?

いや、確かに男湯で肩を並べた!

混浴ではなかった!

いまさらながら俺が度し難い!?」


「ふぃわ!? どこを見てるんです!?

えっちですぅ〜」

「お、俺にはそんな趣味は断じてない!

いや、あるのか!?

もしそうだとしたら驚愕の事実!」


「それなら女の子になっちゃいましょうか?

はい! 女の子なボクですよ!」


「ぶふっ!? 女子になってる!?

自由か!? でたらめがすぎる!?

ま、まあ、こっちの方が……って、違うわ!

目的を忘れるな!

神獣の体調を悪くしてしまうマイコニドの暴走を止める!」


「ふぅわ! もしかしてヤミエル!

悪いことやめちゃったんですか!?

いい子ちゃんになったんですか!?」


「いい子ちゃんはやめんか!

……悪行はもう……

そんなことはどうでもいい!

神獣の体内は異空間な迷宮になっている!

どこかに元凶である何かがあるはずだ!

俺がここに来るより前から、神獣の救済に尽力している天使に合わせてやるからこい!」




「私は姉のフレグエル!」

「私は妹のランスエル!」

「「二人のフレグランスにうっとり!」」


「アロマな香りで心と体に癒し!」

「キャンドルで健康リラックス!」

「「心と体の不調を整えて、きれいきれいに毒素の排出デトックス!

プリティでキュートな双子女子!

二人で一人前な香の天使、3級です!

よろしくお願いします!」」


「ふぅわ! アロマポットにアロマキャンドル!

お香なエロセンスを感じるチャイナドレスな衣に身を包んで、丸い眼鏡がとっても可愛らしいです!」


「天使に昇格したばかりなのに昇級試験ですぐに3級へと飛び級した期待の新人らしい」


「ふぃわ!? すぐに昇級ですか!?

スケスケ正装もあっという間に卒業しちゃってますね!

フィスエルがやきもち焼いちゃいそうです!

ボクは10級見習い天使のリュリュエルで〜〜〜す!」


「ぶふっ!? 貴様、まだ見習いなのか!?

あれだけでたらめなのにどういうわけだ!?」


「ボクは昇級試験は受けないと決めたんです!

だからず〜っと見習いです!」


「いや、実績があれば勝手に昇級するだろうが!

いや待て! そういえば貴様には……」


「「リュリュエル!!!???」」

「捕縛命令が出てる天使だよ!」

「え!? どうしたらいいの!?」

「通報しちゃう!?」

「戦っちゃうの!?」


「ん〜〜〜? ボクを捕縛ですか?

そういえば前にもそんなことを言われたような?

あれれ? ですが、あのときは……」


「待て待て! 香の天使ども、慌てるな!

捕縛がどうこうは気にするな!

でたらめ天使はでたらめだが、きっと役にたつ!

貴様ら二人とは話し合いの末、堕天使の俺とも協力を約束したろう!

まずは神獣の救済だ! 捕縛だのはあとにすればいい!」

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