二百二十二羽 ☆ リュリュエル、妃殿下!

「マオ様のおっしゃる通り、暗殺のたぐいかと思われますが、首謀者が特定できないのだ。

まして、ふわふわくるくるたちのいう通り、聖獣ともなれば……やはり神族が関わっていると思われるのだ」


「ふわふわくるくるたちって、やっぱりわたしも含まれてるの!?」


「殿下、到着いたしましたのだ。馬車からお降りくださいますよう。

ものども周囲に警戒をするのだ!」


「ああ! これは王太子殿下!

よくぞ戻られました!

心よりお待ちしておりました!

明日の戴冠の儀が待ち遠しいですね!

都の防備についても、わたくしも含め四将軍が着々と進めております!

なんの心配もなされますよう、この宰相におまかせください!」


先端にさらさら砂の入った、透明な球体が施されている立派な魔法の杖を抱えて、とってもとっても無駄にたっぷんなお姉様魔族が登場です!


「う、うむ。僕は、余、余はつかれた!

そ、そそ、そちに、ま、まかす」


「おおせのままに!

どうやら神の使徒を捕らえたご様子。

わたくしどもで牢に縛りつけましょう!」


「殿下は共のものを連れて自室に向かわれるのだ!

捕らえた天使どもも我らの管理下に置くこととするのだ!

明日の準備を怠るでないぞ! なのだ!」


「は! 次期魔王妃殿下!

おおせのままに!」




「もうすぐ王族専用の客間に到着するのだ」


「なんだか怪しい宰相ちゃんが登場したわね」

「すっごいたっぷんな美人さんでしたね!」

「あれはすごかった!」

「マオ様そっち派なのだ!?」

「あ……どっちもいけます……」

「そ、そうなのだ?

……やつもまた、もっとも疑わしい者の一人なのだ」


「それはともかく、ヨウメちゃん、殿下の奥さんになるんだね!

おめでとう!」


!!!


「せ〜まちゃんが、ご機嫌良さげに揺れてます!」


「は、はい! わたしは殿下の許嫁ですので……

ですから、わたしがもっとしっかりしないといけないのだ」


頭を下げている魔族な騎士さんや侍女さんたち

「聖獣は暗殺に失敗したのか!」

「なぜ、天使が二人も捕まっている!?」

「同胞が魔族に縛られているなど我慢できん!」

「ええい! なんとか解放ができないものか!」



「リュリュエル、フィスエル。二人とも今のも聞こえてる?」

「もちろんよ。魔族が天使の解放?」


「なんだかおかしいですね?

こそっとエンジェリックア〜〜〜イ。

ふぃわ!?

魔族に変化した上級天使と中級天使です!」

「なんですって!?」


正体が天使な騎士に侍女たち「いっそのこと、ここで王子暗殺を!」

「天使を助け出すわ!」

「ここにいるものども口封じに皆殺しだ!」


魔族な騎士さんや侍女さんたちの変化が解かれて天使の姿に!


「なんだと!? 我らに化けていたのか!

殿下! 我らのうしろに!

近衛騎士隊! 防御陣形! 殿下をお守りしろ!」


「天使が皆殺しですって!? 何考えてるのよ!

マオくん、やるわよ!」


「え!? えええええええ!?

俺、天使と戦うの!?」

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